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IoT住宅成功の鍵は横連携の基盤 <大和ハウス:前編>

2017/10/31

日経ホームビルダー

20年以上前からスマートハウスの研究に取り組む大和ハウス工業。住宅業界における先駆的な企業の1つだ。最近では、経済産業省が進める「スマートホームに関するデータ活用環境整備推進事業」の実証実験に参加して、IoT住宅を対象とした情報活用基盤の構築に着手。次の時代を見据えている。同社が描くIoT住宅とは何か――。スマートハウスの研究に携わり、中心的な役割を担う大和ハウス工業総合技術研究所工業化建築技術センターの吉田博之主任研究員に話を聞いた。前編では、住宅のIT化やオートメーション化など、これまでの歴史を振り返りつつ、IoT住宅が抱える課題について紹介する。

――昨今話題に上るIoT住宅やスマートハウスといった住宅は、これまでも住宅業界で何回かブームになったと思うが、なぜ今再びブームになっているのか。

吉田博之主任研究員(以下、吉田):過去を振り返るとスマートハウスは10年ごとにブームが訪れている。技術革新が起こり、その5年後くらいにブームとなるといったサイクルだ。

「スマートハウス」ブームは10年周期で訪れる(資料:大和ハウス工業)

 スマートハウスの原点ともいえるのが、1989年、当時の東京大学の坂村健教授(現・東洋大学教授)が開発したTRON(トロン)電脳住宅だろう。この頃が第1次ブームだ。私はトロン住宅の実物を見た。当時はスマートハウスの担当ではなかったが、すごい衝撃を受けた記憶がある。

 その後、1995年に商用インターネットサービスが登場したことがきっかけとなり、スマートハウスの第2次ブームが始まった。

 私がIT関連の研究を始めたのもこの頃だ。当時は、住宅のホームオートメーション(HA)化を検討していた。その際に1次ブームで注目されたトロン住宅のことを思い出して資料を取り寄せてみた。すると、すでにHAで考えられていたことが、ほとんど試されていたのに驚いた。例えば朝起きてトイレに行くという行動に対して、ドアや便器のフタが自動で開くだけでなく、トイレを介して健康チェックを行うといった仕組みが考えられていた。

 これなら、自分たちで新しいアイデアを考えるよりも、住宅と外部のシステムをつなぐネットワークを電話回線からインターネットに置き換えて、トロン住宅を再解釈した方が早いと思ったくらいだ。

 このような研究開発を進めていくなか、2000年頃にIT住宅やマルチメディア住宅といったものが登場した。その後、2010年に第3次ブームのスマートハウスが登場し。今に至っている。

 このサイクルを考えると、個人的には2020年に第4次ブームが来ると思っている。今、起きている技術革新はIoT(インターネット・オブ・シングス)とAI(人工知能)だが、まだ住宅に後付けするIoT機器が登場している段階。それらを住宅に組み込んでサービスを提供するレベルを実現するにはハードルがある。今はまだ仕込みの時期だろう。

千葉 利宏=ライター日経ホームビルダー

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