姿が見えないIoT住宅の“中身”

 とはいえ、これらの動きもまだ具体的な中身が見えていないままだ。特に、居住者が必要とするような、IoT住宅のキラーサービスが見えてこない。各社とも、手探り状態が続いている。

 IoT住宅に関するデモンストレーションなどを見ていると、簡単な操作が中心だ。「カーテンの開け閉めを、わざわざ自動化する必要があるだろうか」と疑問に感じる人もいるだろう。

 本当に、居住者が必要とするアプリケーションを生まれるかどうかは、前回に紹介したSOUSEIやコネクテッドホーム アライアンスのように、企業の垣根を超えて連携し、新しいサービスが実現できるかにかかている。

 高齢者などを対象とすれば、住宅内での安全・安心を確保するために、室内温度によって熱中症予防のためにエアコンが自動的に動くといったサービスも考えられる。住宅内での子どもやペットの様子が気になる人向けのアプリケーションなどもあるだろう。

 「住宅メーカーにとっては、センサーなどのデータから住宅や設備機器の不具合を早期に発見できれば、維持管理を効率的に行えるし、リフォームビジネスも展開しやすくなる」(ミサワホーム商品開発部ホームOSプロジェクトの石塚禎幸課長)という住宅業界にとってもメリットがあるアイデアも出てきている。

 果たして2020年に次世代住宅の第4次ブームは到来するのか。各社の動向を注視していきたい。