築5年の地下室付き住宅の住まい手から、結露とカビに悩んでいるとの相談を受けた。窓を開けて換気に努めても、地下室がジメジメして仕方ないという。温度や湿度を測定し、結露発生の原因を調べることにした。(日経ホームビルダー)

地下室付き住宅の住まい手から相談カビ臭くて居られない窓枠が結露する

 今回、検証隊がやってきたのは、東京大田区の高級住宅地に建つK邸。「居室のある地下室の湿気に悩んでいる」と相談があった。

地下の状況を見てみることにした。ドライエリアに行くと、コンクリートの壁面には緑色のカビが広がっていた(写真:日経ホームビルダー)
地下の状況を見てみることにした。ドライエリアに行くと、コンクリートの壁面には緑色のカビが広がっていた(写真:日経ホームビルダー)

 K邸は地上2階、地下1階建て。地下には、書斎とそれに隣接する納戸、子供室、寝室がある。入居間もないころに、寝室の壁に使っているパイン材にカビを発見したが、施工会社からは「木材の持つ湿気が原因」と言われ、該当部分だけを補修した。地下室全体が湿っぽいような気もしていたが、様子をみることにした。 

 しかし、入居から2年目の夏。「子供室のベッドに敷いてあったマットレスの裏が一面カビに覆われていた。納戸や洋服タンスの中の衣類もカビの被害に遭い、結局すべて処分した」とKさんは話す。

 カビ対策のため、Kさんは四季を通して頻繁に窓を開けているという。数年前には除湿器を購入。常時動かし続けていたが、効果的な改善を実感できないまま、昨年壊れてしまった。運転中は、1日に最低3回は溜まった水を捨てなければならない状態だった。

 今年で入居5年目。地下の湿気は改善される気配がなく、カビのにおいはますますひどくなっている。アレルギーのある夫と息子は、地下室に寄り付かなくなってしまった。

(初出:日経ホームビルダー2007年12月号 当時の記事のまま再掲載)