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今号の1枚|日経アーキテクチュア

夏目漱石の「晩年の家」を屋内に再現、坂道沿いに立つ資料館

漱石山房記念館 設計:フォルムデザイン一央

2017/11/02

日経アーキテクチュアの最新号に掲載した建築物をピックアップ。今号の1枚は、浅田美浩さんが撮影した「漱石山房記念館」です。「建築プロジェクトデータベース」(ウェブ有料会員サービス)では、雑誌の発行と連動して最新の建築情報を更新。概要データや写真・図面などを見ることができます。

「漱石山房通り」と名付けられた坂道から建物を見る。夏目漱石は現在の東京都新宿区で生まれ育ち、生涯を閉じた。実際の「漱石山房」の建物は1945年の空襲で焼失。土地は戦後、都が譲り受け、後に区に移管された(写真:浅田 美浩)

(日経アーキテクチュア10月26日号フォーカス建築から)

 夏目漱石が晩年の9年間を過ごした家は「漱石山房」と呼ばれ、現在の東京都新宿区早稲田南町7番地にあった。「三四郎」や「こゝろ」などの代表作が生み出された場所だ。「漱石山房記念館」はその跡地に立つ。2014年の公募型プロポーザルで選ばれたフォルムデザイン一央(東京都武蔵野市)が設計した。

 館内では「漱石山房」の書斎と客間、ベランダ式回廊を再現展示。近代文学や建築史の専門家がそのための調査を行った。敷地前面の坂道から、ガラス越しにそれがよく見える。

 漱石最後の随筆「硝子戸(がらすど)の中(うち)」には、この坂道が「宅(うち)の前のだらだら坂」と書かれている。また、ベランダから周辺を眺めた描写などもある。

 フォルムデザイン一央の入江正之代表(早稲田大学名誉教授)は「山房はこの建物の要で、庭や坂道との関係が大事だと考えた。かつて漱石が目にしていたように山房から庭や坂道が見え、かつ、坂道を行き交う人の目に映る山房の姿も漱石の生前と同じようにしたかった」と話す。区は坂道側に山房の鑑賞スペースを設ける意向だったため、議論の末に現在の配置が決まった。

 建物全体は「この山房をどのように雨露から守るか」と考えて計画。山房の載るスラブが壁として立ち上がり、屋根に伸びたという躯体を基本に、北側と南側にガラススクリーンや筒状の展示室、エントランスの庇などを取り付けた。それらの要素は「周辺の家並みと協調するように小さくした」と入江代表。また、敷地は既存の漱石公園に隣接し、今回の計画で一体に整備された。

 館内は1階の導入展示やブックカフェ、地階が無料スペースで、来館者が気軽に漱石に親しめるようになっている。

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長井 美暁=ライター日経アーキテクチュア

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