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今号の1枚|日経アーキテクチュア

稽古場を表の顔に、市民が演じたくなる劇場を追求

太田市民会館 設計:香山壽夫建築研究所

2017/08/31

日経アーキテクチュアの最新号に掲載した建築物をピックアップ。今号の1枚は、安川千秋さん撮影の「太田市民会館」です。「建築プロジェクトデータベース」(ウェブ有料会員サービス)では、雑誌の発行と連動して最新の建築情報を更新。概要データや写真・図面などを見ることができます。

南東側から見た全景。シャープな印象を与える低層部の外壁に張られているのは、厚さ8㎜のアルミキャストの大判パネル。標準寸法は約5400×1600㎜。鋳物として製作可能な最大の寸法でつくった(写真:安川 千秋)

(日経アーキテクチュア8月24日号 フォーカス建築から)

 旧施設の老朽化に伴い、敷地を郊外に移して新築した太田市民会館がオープンした。市民のニーズを先取りした行政サービスを展開する同市は、稽古場を表に配した平土間のプランで、約22万人の市民全員に積極的に使ってもらえる劇場を目指す。すでに1年先まで予約で埋まっている。

 群馬県太田市の新しい市民会館が、2カ月間の訓練期間を経て、2017年9月から本格的な運営を開始する。周辺エリアは、大型店舗や公共施設が増え続ける市の郊外。典型的なロードサイドの風景が広がるなか、高さが30mを超える市民会館のフライタワーは、遠くからも目に留まる。近づくと、濃灰色をしたアルミキャストの大判パネルがシャープに縁取る四角い低層部が現れる。

 「今後、まわりにどんな建物ができても負けないように、鋭い面と素材感を持つ、きちんとした形の建築にしようと思った」。設計を手掛けた香山壽夫建築研究所(東京都文京区)の香山壽夫所長は、外観の意図をそう説明する。

 建物内にはシンプルなプランが展開する。その特徴は、各室を地上階だけに配置した「平土間」である点だ。ほぼ真ん中に1500席のホールを据え、建物の外周にスタジオやラウンジ、楽屋などを整然と配置。そうした各室の一つひとつを、鉄骨鉄筋コンクリート造や鉄筋コンクリート造の「箱」としてつくり、ロビーやホワイエ、廊下などの共用空間でつなげている。

 「このプランでは、劇場によくある“裏表”の関係をなくした」。香山所長のこの言葉は、ロビーとスタジオとの位置関係に表れている。スタジオは、プロの公演時などに稽古場や控室として使う場所だ。そのため、多くの劇場が、利用客でにぎわうロビーから離れた裏手にスタジオを配置するが、太田市民会館は表のロビーと連続させている。

 「裏を表にすると、今までにないにぎわいが劇場全体に生まれる。例えば、公演がない日でも、稽古の活気や、照明の明かりが、ロビーや表の街へとにじみ出していく」と、香山所長はその意味を話す。

★「太田市民会館」の概要データや写真・図面などは こちら

★ウェブ有料会員の詳細・申し込みはこちら

松浦 隆幸=ライター日経アーキテクチュア

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