日経アーキテクチュアトップ編集長が出題! なるほど建築検定 > 記事(前のページ)

編集長が出題! なるほど建築検定

盆休みに腕試し!全問正解なら建築ツウ(前編)

Q1.隈研吾の木造、Q2.藤森照信の素材使い

2017/08/10

この「編集長が出題! なるほど建築検定」は、「建築プロジェクトデータベース」(ウェブ有料会員サービス)の検索のしやすさを知ってもらうために、今年3月2日からこれまでに11回、計24問のクイズを出題してきました。今回はお盆休み用の総集編です。

 これまでに出題したなかから、著名建築家に関するやや難度の高い5問を出題します。全問正解できたら、あたなは誰が見ても建築ツウです。建築実務者、建築好きの一般の方、大学のクイズ研究会の方など、ぜひ腕試しを!

 では、第1問は隈研吾氏に関する問題です。

隈研吾氏が設計した馬頭町広重美術館のエントランスホール(写真:三島 叡)
Q.現代的な木の使い手といえば、すぐに頭に浮かぶのが隈研吾氏。では、隈氏が設計に携わった以下の建築のうち、「構造体」(一部を含む)に木造を採用しているのはどれ?

A:馬頭町広重美術館(2000年竣工、現・那珂川町馬頭広重美術館)
B:浅草文化観光センター(2012年竣工)
C:SunnyHills at Minami-Aoyama(サニーヒルズ南青山)(2013年竣工)
D:としまエコミューゼタウン(2015年竣工)
E:TOYAMAキラリ(2015年竣工)

第1問の答えは……

 答えはCの「SunnyHills at Minami-Aoyama」(以下、サニーヒルズ南青山)。

 Aの馬頭町広重美術館(2000年竣工、現・那珂川町馬頭広重美術館)は、隈研吾氏が木という素材に本格的に取り組むきっかけとなった建築ですが、構造は鉄筋コンクリート(RC)造・一部鉄骨(S)造です。

馬頭町広重美術館の南北を貫く通路。左にレストラン、右にエントランスホールがある。この部分は鉄骨造。波板ガラスの屋根からルーバーを通して光が差し込む(写真:三島 叡)

 Bの浅草文化観光センター(2012年竣工)は、S造・一部SRC造です。複数の平屋を積み上げたように見える外観から、「もしかして木造?」とも思えますが、さすがに地上8階建てで木造を採用するのは現在の日本では困難です。

浅草文化観光センターの外観。単調なペンシルビルにしないよう階高や天井・庇の勾配などを変えることで、変化に富む内部空間を構成した(写真:澤田 聖司)

 正解のC、サニーヒルズ南青山(2013年竣工)はRC造・一部木造。「地獄組み」と呼ばれる木組みの部分が、本当に床や屋根の荷重を支えています。

 緩い坂道に立つ店舗は、南・東・北の3面が、高さ3層分の木組みに包まれています。断面60mm角のヒノキの製材を、斜めの格子状に組み上げました。一見、化粧のための外装材のように見えますが、構造材です。建物は西側約半分が鉄筋コンクリート(RC)造で、東側が木造。ヒノキの木組みには垂直に立つ部材は1本もありませんが、木造部分の3層の床と屋根を支え、地震時の水平力はRC造部分で受けます。

サニーヒルズ南青山の北東から見た外観。菱形を単位とする地獄組みをランダムに配置した構造体で、3層の床と屋根を支える。使用したのは、断面60mm角の岐阜県産の東濃ヒノキ(写真:安川 千秋)

 Dのとしまエコミューゼタウン(2015年竣工)は、RC造・S造・一部SRC造です。低層部のバルコニーが緑化され、森の中の散策路のようですが、構造は木造ではありません。

としまエコミューゼタウンの低層部を南西から見る。前庭に並ぶ樹木の新緑が、低層部(豊島区庁舎)の外装(エコヴェール)に点々とつながっていくように見える。その上にはペンシル状の超高層マンションがそびえ立つ(写真:浅田 美浩)

 EのTOYAMAキラリ(2015年竣工)はS造。アトリウム内にすごい量の木ルーバーが使われていますが、これらは構造材ではありません。

TOYAMAキラリの5階エスカレーター付近から2階ロビーを見る。各フロアの吹き抜けは形状を変え、位置をずらしながら斜めに上昇する(写真:車田 保)

 建築プロジェクトデータベースでは、冒頭の検索窓に「隈研吾」と入力するだけで、2000年以降に日経アーキテクチュアに掲載した隈研吾氏設計の建築物の概要データを簡単に検索できます。また、個々のページに記事(HTML版、PDF版)へのリンクがあるものは、それらの記事で設計の詳細を知ることができます。

第2問は藤森照信氏

 続いて第2問は、建築史家にして建築家の藤森照信氏に関する問題です。

多治見市モザイクタイルミュージアムの全景。すり鉢の底に当たる建物の入り口前まで、幅1200mmの小道を下りていく(写真:車田 保)
Q.藤森照信氏の近作、「多治見市モザイクタイルミュージアム」(2016年6月開館)で、土塗りの外壁に点在する形で埋め込まれているものは、「タイル」と何の破片でしょう。

A.レンガ
B.ステンドグラス
C.瓦
D.風鈴
E.茶わん

第2問の答えは……

 答えはEの茶わんです。

 岐阜県笠原町(現・多治見市笠原町)でモザイクタイルの生産が盛んになったのは戦後のこと。戦前は茶わんの産地として知られていました。藤森氏は町の歴史を外観に表現したいと考え、外壁に土を塗り、タイルや茶わんを砕いて埋め込みました。

 その外壁が来館者、特に女性の興味を引くようで、女性客は必ずといってよいほど、その写真を撮っていきます。

多治見市モザイクタイルミュージアムの入り口周辺(写真:車田 保)

 ちなみに、日経アーキテクチュア8月24日号では、特集「藤森照信 異端からの逆転」を掲載します。お楽しみに。

 では、3問目以降は後編へ。

宮沢 洋 [日経アーキテクチュア

ページの先頭へ

日経アーキテクチュアトップ編集長が出題! なるほど建築検定 > 記事(前のページ)