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シリーズ 『音とにおいの「クレーム地獄」を回避する!』 その2

まずは、見えない〔敵〕の正体を知ろう!<後編>

2017/04/14

設計・施工を担当した二世帯住宅を訪れた、設計工房のみどりと棟梁の一平太。しかし、突然振って湧いた「におい」と「音」のクレーム。その原因は?

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この作品は取材と調査にもとづくフィクションです(初出:日経ホームビルダー 2006年7月号)

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顧客対応講座

 住まいの見えざる敵=音とにおい――。それは、新居の引き渡しが終わり、施主が入居してから初めて発見されるというやっかいな相手だ。しかも、原因を調査しても、その正体を突き止めにくいという特徴がある。

 今回は、音とにおいの原因解明と解決策をテーマに、大きなトラブルへと発展する前に用意すべき「転ばぬ先の杖」を提言したい。

 まずは基本的なデータをおさえておこう。施主たちは、どんな音を「騒音」と感じ、不満を覚えるのか? グラフ(1)がそのワースト10だが、「屋外の自動車音」が1位。次いで「上階を歩く音」「トイレの流水音」となる。取り組むべき課題としては、「外壁・外部建具の遮音性向上」「天井と床の防音・遮音性向上」「設備騒音の対策」があげられる。

 「隣室の話し声・TV音」では、一戸建てに比べてマンションやアパートで不満が多かった。身内の音には寛容だが、他人がたてる音はガマンできない。そんな心理的要因がからむのも「騒音問題」のひとつの特徴である。

 グラフ(2)は、騒音を住宅の構造別に見たもの。やはり、総じて「屋外の自動車音」に不満が集まっているが、特に「木造・2×4」が顕著だ。「上階を歩く音」「洗濯機の音」「階段の昇降音」「雨戸を開閉する音」も同じ傾向を示している。木造系の住宅は、構造上、アコースティック・ギターのボディーのように音を増幅・反響させてしまう特性があるようだ。床・天井の素材や張り方になんらかの工夫が必要ということだろう。

 「上階を歩く音」では「軽量鉄骨造」への不満の少なさが目立っているが、この工法では、2階の床(床下)に遮音性が高い軽量気泡コンクリート板を使う例があり、この仕様が功を奏しているのかもしれない。

グラフ(1)(2)は、2002年8月「住宅の音環境についてのアンケート調査報告書」日本健康住宅協会(音・振動環境部会)より。調査対象は、年齢・居住する住宅形態などが偏らないように配慮した137件(関西エリア128件、関東エリア9件)。取材協力/NPO法人「日本健康住宅協会」 http://www.kjknpo.com/
グラフ(1)(2)は、2002年8月「住宅の音環境についてのアンケート調査報告書」日本健康住宅協会(音・振動環境部会)より。調査対象は、年齢・居住する住宅形態などが偏らないように配慮した137件(関西エリア128件、関東エリア9件)。取材協力/NPO法人「日本健康住宅協会」 http://www.kjknpo.com/

この作品は取材と調査にもとづくフィクションです(初出:日経ホームビルダー 2006年7月号)

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 においの問題は住宅内の「空気の質(Indoor Air Quality)」として考えるとわかりやすい。表(1)はクレームの対象となりがちな臭気の発生場所とその主な成分である。発生源特定の参考にどうぞ。

 図(2)は、室内空気の質を左右する4つの要素=「温度」「湿度」「気流(空気の流れ)」「清浄度」だ。この4要素のバランスがよければ室内環境は快適だが、一度バランスが崩れると悪臭被害やシックハウスなどの問題が発生する。設計、設備、素材の選択など住宅建築のノウハウで解決できるケースが少なくないので、次号から順次紹介していこう。

図表(1)(2)は、2003年4月「住宅の臭気に関する調査報告書」日本健康住宅協会(臭気分科会)、2006年5月松下エコシステムズ環境技術研究所の取材、2001年「シックハウス問題に関する検討会中間報告書」厚生労働省ほかの資料を参考に作成
図表(1)(2)は、2003年4月「住宅の臭気に関する調査報告書」日本健康住宅協会(臭気分科会)、2006年5月松下エコシステムズ環境技術研究所の取材、2001年「シックハウス問題に関する検討会中間報告書」厚生労働省ほかの資料を参考に作成

この作品は取材と調査にもとづくフィクションです(初出:日経ホームビルダー 2006年7月号)

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この作品は取材と調査にもとづくフィクションです(初出:日経ホームビルダー 2006年7月号)

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日経ホームビルダー=企画村瀬春樹=作みやぞえ郁雄=画日経ホームビルダー