4月から始まった省エネ性能表示制度では、第三者認証ラベルとしてBELS(ベルス)が使われる。“BELSビギナー”にとって、最初のハードルとなるのが申請手続きだ。どのような流れで進めるのだろうか。まずは戸建て住宅について解説する。

 BELS(ベルス)は、国土交通省が定めた「建築物の省エネ性能表示のガイドライン(建築物のエネルギー消費性能の表示に関する指針)」に基づく第三者認証制度の一つ。省エネ性能のランクに応じて5段階の星マークで表示する。住宅性能評価・表示協会が制度運営している。

 建築物のエネルギー消費性能の表示制度(省エネ性能表示制度)が始まった4月1日以降、これまで非住宅(建築)が対象だったBELSも、住宅の申請を受け付けるようになった。

建築物省エネ法7条による第三者認証のBELS。省エネ性能のランクに応じて、5段階の星マークで表示する。これは戸建て住宅と共同住宅の表示ラベル(資料:国土交通省)
建築物省エネ法7条による第三者認証のBELS。省エネ性能のランクに応じて、5段階の星マークで表示する。これは戸建て住宅と共同住宅の表示ラベル(資料:国土交通省)
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 住宅を対象にしたBELSで評価されるのは、外皮性能と一次エネルギー消費量だ。省エネに特化した評価制度だけに評価項目は少なく、住宅性能表示制度や長期優良住宅認定制度などと比べても申請図書をまとめるのにそれほど手間はかからない。

 「住宅性能表示や長期優良住宅に親しんでいる工務店や設計事務所であれば、申請は容易だ」。BELSを運用する住宅性能評価・表示協会基準運用委員会委員長・温熱試験委員会委員長の齋藤卓三さんは説明する。

 申請に際しては、審査を行なうBELS実施機関に事前相談を行うのが早道だ。全国にあるBELS実施機関は、住宅性能評価・表示協会のホームページで検索できる。

 一方、これまで外皮性能や一次エネルギー消費量の計算をしたことがない工務店や設計事務所は少し手こずるかもしれない。

 「不慣れな工務店は有料の申請代行サービスを利用する方法もある。最初の何回かは代行サービスを利用しつつ、徐々に自力で申請図書をまとめられる能力を身につけると理想だ」と齋藤さんはアドバイスする。申請代行サービス会社はBELS実施機関のホームページにバナーやリンクを張っている場合もあるので、参考にしてほしい。