性能関連の項目を増やす
──SUUMOにおけるBELSの項目追加もこうしたニーズに対応したものということですか。
そうです。中古住宅の情報ではBELSも含めた住宅性能を表示する項目を充実させると同時に、性能・品質面からも検索できるように16年6月にリニューアルしています。
まず中古住宅の検索の画面では従来あった「築年数」の項目を検索画面の下部に移しました。これは、性能は高いのに築年数だけでリストから外れてしまうという事態を防ぐためです。
次に「SUUMOのオススメ検索」という機能を追加しました。これは性能の良さや証明書類、リフォームの有無、瑕疵保険・瑕疵保証付きの住宅を抽出できるようにしたものです。さらに築25年以上の住宅でも耐震基準適合、住宅性能評価、瑕疵保険のいずれかが取得できているものをワンチェックで簡単に検索できるようにしています。
──BELSは取得の有無を表示できるようになりましたが、検索もできますか。
今のところは、BELSは検索条件に入れていません。物件数が増えれば検討したいと思います。
──こうした性能検索機能に対するユーザーの反応はいかがですか。
利用率はまだ低いのですが、オススメ検索の利用者からの問い合わせは、非利用者の2~3倍あります。
ただ、検索してヒットする物件数がまだ多くありません。SUUMOでは、新築マンション以外はウェブサイト用の記入画面を提供して、掲載会社に物件情報を入力してもらう仕組みです。その入力の際、性能関連の項目にしっかりチェックを入れてもらうよう、周知に力を入れていきたいと思います。
従来は、南向きや築年数が浅いなど消費者のニーズを検索軸に入れていましたが、今後は「価値ある住宅というのはこういう要素があるのですよ」という消費者が気づかぬ要素を、ポータルサイト側が提案、発信していくという役割を担っていきたいと思います。
──住まい選びの際には「性能に着目するといい」ということをもっと理解してもらうのですね。
はい。それが浸透してくれば、「BELSが性能の裏付けになる」という認識も広まっていくのではないかと思います。
これと関連して当社の媒体を通じて、「ZEH(ゼッチ)」「エコ」などのキーワードを記事のタイトルに入れたとき、果たして読んでもらえるのだろうかということを調べたことがあります。結論から言うと、サイトにおけるページビューでは下位にとどまりました。
──では上位にきた記事は。
「エコで注目のヤギ除草」や「エコポイント復活」など、楽しそう、面白そう、お金の面で有利になるといった具合に、読者の日常的な感情に寄り添って共感を呼ぶ記事が読まれています。また、当社の情報誌では「解決 ! 寒い家」といった生活の不満を解消する記事も好評でした。
それを踏まえて「なぜうちの実家は寒いままなのか ?」「環境省幹部の家はエコなのか ?」など、より読者が読みたいと思う視点で記事を企画し、住宅性能への関心を盛り上げていきたいと考えています。