不動産マーケットが鍵

──建築主はどのような動機でBELS評価の取得に意欲的になるでしょうか。

 やはり、BELSの普及と不動産マーケットは両輪だと思います。BELSの星が多い建物が増えて目立つようになれば、建築主は同レベルの建物をつくるようになるでしょう。例えば、これは私の持論ですが、不動産取引のエンジニアリングレポートにビルの資産価値としてBELS評価を加えれば、建築主はもっと興味を持つと思うのです。

 CASBEE(キャスビー)(建築環境総合性能評価システム)の場合ですと、その認証を取得した賃貸オフィスビルの推定成約賃料が、他のビルと比べて高い傾向にあることがわかっています。

──現在、BELSと不動産価値との関連性は見えていますか。

 今はまだBELS評価を取得した件数が少ないので、相関関係が見えにくいですね。4月からの適合義務化に伴ってBELS評価件数が増え、不動産価値との関連性が明らかになることを期待しています。

ダイダン九州支社に掲示したBELS(右)とeマーク(左)のプレート。eマークは既存建築物が省エネ基準に適合していることを所管行政庁が認定する制度(写真:早稲田大学田辺新一研究室)
ダイダン九州支社に掲示したBELS(右)とeマーク(左)のプレート。eマークは既存建築物が省エネ基準に適合していることを所管行政庁が認定する制度(写真:早稲田大学田辺新一研究室)
[画像のクリックで拡大表示]