性能値検索も可能

──サッシ枠とはまた別なのですね。

 窓の熱性能は、ガラスとサッシの組み合わせで決まりますので、ガラスとサッシのそれぞれを確認することが必要です。

 ガラスラベルは出荷段階ですべてのガラスに貼付するので、流通を経て異なる現場に搬入されても性能が分からなくなることがありません。現場施工後の完了検査までラベルを剥がさない、剥がしても保存しておくといった注意事項は、工事監理マニュアルにも明記されていますので、ガラスの熱性能は現場でもこのラベルを基に確認できるようになります。

──設計段階でガラスを選ぶ際に利用できる仕組みはありますか。

 メーカーに直接問い合わせるほか、設計者が自分で窓の構成を計画できるよう、住宅性能評価・表示協会の温熱・省エネ設備機器等ポータルサイト(非住宅版)※1 に掲載した、窓やガラスの各メーカーのウェブサイトで性能値を検索できる仕組みを準備中です。こうしたデータは、4月から非住宅の建築確認申請に必要になりますので、その前までには利用できるよう各社で作業を進めています。

 また、リビングアメニティ協会の窓の断熱性能プログラム「WindEye」※2 では、窓枠とガラスを合わせた熱性能を評価するプログラムがあります。当団体では、そのプログラムに機能を追加して、WindEyeの計算途中で算出されるガラス中央部の性能値を出力できるように準備中です。これが完成すれば、申請の際の添付書類として認められるよう、国交省と打ち合わせを進めています。

──手法はいろいろあるのですね。

 開発中のウェブサイトやプログラムは3月中には公開する予定です。設計・施工に携わる方は4月までにぜひチェックしていただければと思います。

ガラスラベルの運用フロー
ガラスラベルの運用フロー
ガラスメーカーからガラス店・工事店、工務店・ゼネコンそれぞれの動きを、設計から完了までのプロセスごとに示した。ガラスラベルを製造時から完了まで貼付することでガラスの熱性能をどの段階でも確認できるようにしている(資料:板硝子協会)
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※1 住宅性能評価・表示協会の温熱・省エネ設備機器等ポータルサイト(非住宅版)http://www2.hyoukakyoukai.or.jp/hijutaku/info/category.php

※2 リビングアメニティ協会の窓の断熱性能プログラム「WindEye」http://www.alianet.org/windeye/