既存ストックの改修も

──一方で、4月以降、省エネ改修は届け出る必要がなくなりました。

 「エネルギーの使用の合理化等に関する法律(省エネ法)」では、一定規模以上の設備の設置や改修などは届け出る必要がありましたが、2017年3月31日に廃止されます。しかし、ビルの多くを占める既存ストックも無視はできません。近い将来は義務化または届け出化も検討すべきではないでしょうか。それと同時に既存ストックのZEB(ネット・ゼロ・エネルギービル)化の推進も必要でしょう。

 当社でも、ZEB化の取り組みにはすでに着手しています。16年には築13年の東関東支店ビルをZEB化に向けて改修しました。こうした取り組みを通じて、これから求められる省エネ技術の開発や、並行して知的生産性や快適性を高める空間づくりを考えるなど、ノウハウの蓄積に努めていきます。

築13年の建物を改修でZEB化した竹中工務店東関東支店。外皮性能の改善や地中熱・太陽熱の利用、各システムの統合制御などの改修を実施(写真:新建築社写真部)
築13年の建物を改修でZEB化した竹中工務店東関東支店。外皮性能の改善や地中熱・太陽熱の利用、各システムの統合制御などの改修を実施(写真:新建築社写真部)
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BELS(ベルス)は5つ星取得およびNearly ZEBを達成(資料:竹中工務店)
BELS(ベルス)は5つ星取得およびNearly ZEBを達成(資料:竹中工務店)
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東関東支店のエネルギー消費量削減の割合
東関東支店のエネルギー消費量削減の割合
東関東支店のエネルギー消費量削減の割合を項目ごとに示した図。改修前のエネルギー消費量実績をRefernce Buildingとし、快適性の考え方の見直しや照明・外装・空調の各計画・技術の導入などにより、コンセント消費を含めた全体の約7割を削減する。残った約3割の消費量分を、太陽光発電でゼロあるいは多少のプラスにする目標。17年2月時点で稼働後9カ月を経過し達成見込み(資料:竹中工務店)
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