国内外の金融機関を渡り歩いた堀江氏。再生可能エネルギーファンドやCO2排出権取引に携わり、環境の重要性を意識した。代表を務めるCSRデザイン環境投資顧問で、環境配慮と経済性が同居した社会づくりをめざす。
――環境に着目されたきっかけを教えてください。
これまで、日本興業銀行やメリルリンチ証券に勤め、ドイツ証券ではマネージング・ディレクターとしてストラクチャード・ファイナンス業務を統括していました。ドイツ証券では、再生可能エネルギーファンドや、排出権の取引などに関わるようになったのですが、それがこの分野に興味を持ったきっかけです。環境に関連する金融や投資が、単に世の中にいいことというだけではなく、利益を生むということと両立するということが大事だと思っています。
──環境不動産に対して御社が果たす役割とは。
環境・サステナビリティへの配慮と経済性との両立をめざしています。具体的には二つの事業を行っています。一つは不動産会社やREIT(不動産投資信託)、ファンドのサステナビリティへの取り組みを評価する国際評価のGRESB(グローバル不動産サステナビリティ・ベンチマーク)において、各社の評価が高まるようにアドバイスすること。もう一つは国や自治体に対して調査受託や委員会参加という形で、環境不動産やESG投資が普及するような政策提言を行うことです。
――不動産業界の環境に対する認識はどのようになっていますか。
最大手のデベロッパーはかなり高いレベルのものをめざしています。一方、中小のビルオーナーは会社によってまちまち。非常に意識が高い会社もありますし、全く関係ないという会社があるのが現状です。
また、環境に配慮した取り組みと情報発信との間にずれがあります。レベルの高い取り組みをしていても、自社の基準で運用するにとどまり、第三者認証を活用するなどして社会に広く伝える会社はまだまだ少ないと思います。もっともJ-REITに限っては発信が進んできていて、ここ数年はGRESBへの参加者も増えています。