湿式断熱への対抗
ドイツではこれまでに湿式外断熱の施工効率が著しく向上してきたこともあり、湿式は最も安い建材という位置づけにある。ただし、近年では発泡系湿式外断熱の解体時の処理問題や、持続可能性の低さといった観点から、風当たりが強くなってきた。これに対して、ドイツ乾式ファサード協会を筆頭に、乾式メーカーは施工性の高さを上げるなどして、競争力をつけようとしている。
湿式への対抗という点では、サンドイッチパネルも改良が重ねられている。断熱材から外装パネルまでできあがっているものを一つの製品として納品するため、当然、施工は速い。メーカーが近年、販売している製品では、パネル単体で厳しい省エネ基準を満たすだけでなく、デザインも近代化が進んでおり、様々な面で求められる高いニーズに応えるよう工夫されている。流行のスタイルである大開口部に対応するため、ガラスやアクリル質の光沢を持ったものや、アルミ質のものが好まれる。
前述のようなガラスやアクリル質パネルは、太陽光発電(PV)パネルをファサードに組み込む場合に使用されることが多い。これは、従来型のPVパネルの光沢ある表面と組み合わせても不自然でないことや、PVとはわかりにくいデザインの発電パネルと同じデザインにできるため、ファサードに均一感を出せることが売りになっているからだ。