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ZEH基準は省エネ基準より厳しい

ザクッとわかるZEH(2)

2017/02/15

ZEHロードマップ検討委員会では、「ZEHの判断基準」として4つの定義を定め、そのすべてに適合した住宅をネット・ゼロ・エネルギー・ハウス(ZEH)としている。そこに定められた基準は、これからの住宅に何を求めているのか。ZEHの考え方を読み解く。

<<ザクっとわかるZEH(1)住宅は「省エネ劣等生」

 ZEHロードマップ検討委員会では、「ZEHの判断基準」として、以下の(1)~(4)の定量的な定義を設けている。

  • (1)強化外皮基準(1~8地域の建築物エネルギー消費性能基準を満たした上で、UA値が、1、2地域:0.4W/㎡K相当以下、3地域:0.5W/㎡K相当以下、4~7地域:0.6W/㎡K相当以下)を満足すること(ηAC値、気密・防露性能の確保などにも留意)。

  • (2)再生可能エネルギーを除き、基準一次エネルギー消費量から20%以上の一次エネルギー消費量が削減されていること。

  • (3)再生可能エネルギーが導入されていること(容量不問)。

  • (4)再生可能エネルギーと差し引きして、基準一次エネルギー消費量から100%の一次エネルギー消費量が削減されていること。

 各項目を簡単に説明しよう。

 (1)が目指すのは「エネルギーを極力必要としない住宅」であり、ZEHには現時点の省エネ基準より厳しい高断熱基準を設定している。例えば、省エネ基準の外皮平均熱貫流率(UA値)が6地域で0.87に対し、ZEH基準は0.6と2割以上強化している。また、UA値だけでなく、平均日射取得率(ηAC値)、気密、防露性能にも留意することを明記しており、これらは省エネ基準に準拠して計画する必要がある。

ZEH基準と省エネ基準の比較(資料:環境共創イニシアチブ「ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス支援事業 調査発表会2016」)

 (2)は「エネルギーを上手に使う住宅」であり、その実現には、導入する住宅設備の高効率化が必要だ。(1)の躯体の高断熱化と、設備の高効率化の組み合わせで、基準一次エネルギー消費量より20%以上削減することをZEH基準として設定している。対象は、暖冷房、換気、給湯、照明。一次エネルギーとは石油、石炭、天然ガスなど自然界から得られるエネルギー源のこと(電気は二次エネルギーである)。

計算方法は「建築物エネルギー消費性能基準」による。燃料電池などの効果(消費量)が別途カウントされている場合は、当該燃料電池による削減量も考慮する(資料:環境共創イニシアチブ「ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス支援事業 調査発表会2016」)

 (3)と(4)は「エネルギーをつくる住宅」。(2)で20%以上の省エネを満たした上で、太陽光発電などを導入して再生可能エネルギーを創出することにより、正味(ネット)でゼロ・エネルギーを目指す。なお、ZEHの「ゼロ・エネルギー」とは、あくまでも年間エネルギー消費量の合計と創エネルギー量の差し引きが、おおむねゼロ以下を目指すことであり、売電などで光熱費をゼロにするという意味ではない。誤解している建て主も多く、説明する際には注意が必要だ。

 ZEHロードマップ検討委員会では同時に、Nearly ZEH(ニアリー・ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)も定義づけされた。(1)から(3)に適合した仕様だが、再生可能エネルギー分を加え、基準一次エネルギー消費量から正味で75%以上100%未満の省エネを達成した住宅をNearly ZEHとしている。例えば、屋根が小さく太陽光パネルの面積が制限されたり、都市部の日射が得難い敷地などでは、創エネルギー量に限界があり、完全なZEH化は難しい。こうしたケースも考慮して定義づけられたものだ。

再生可能エネルギー量の対象は敷地内に限定し、自家消費分に加えて余剰売電分も対象に含める。全量売電は考慮されない(資料:環境共創イニシアチブ「ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス支援事業 調査発表会2016」)

橋場一男=ライター日経BPインフラ総合研究所

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