YKK不動産(東京都千代田区)は、「YKK80ビル」において、オフィスビルで日本初のLEED-CS(Core and Shell:新築テナントビル部門)の「プラチナ認証」を取得。4月4日にLEED認証取得報告会と授与式を開催した。

 LEED(Leadership in Energy & Environmental Design)は、米国グリーンビルディング協会(USGBC)が開発・運用する、環境に配慮した建物やエリア開発の認証システムだ。得点に応じて、Certified(標準認証)、Silver(シルバー)、Gold(ゴールド)、Platinum(プラチナ)の4段階に格付けする。

 110ポイントが満点でプラチナは80ポイント以上が必要となる最高ランクだ。YKK80ビルは91ポイントを獲得した。LEED-CSのプラチナ認証取得は世界全体で242件(2016年3月末時点)。そのうち4件が日本での取得となり、YKK80ビル以外は物流倉庫などだ。

YKK80ビル。西側のファサードはアルミ押し出し型材の縦ルーバーで覆われている。歩道沿いの植栽に沿って、荒川の氾濫を想定した洪水対策の壁を立てた。その内側に、免震構造のクリアランスを取っている(写真:吉田 誠)
YKK80ビル。西側のファサードはアルミ押し出し型材の縦ルーバーで覆われている。歩道沿いの植栽に沿って、荒川の氾濫を想定した洪水対策の壁を立てた。その内側に、免震構造のクリアランスを取っている(写真:吉田 誠)
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西向きのファサード。幅70m、高さ36mの縦ルーバーが1枚のスクリーンに見えるように、階の途中に下地材を設けず、各階の庇で支持している(写真:吉田 誠)
西向きのファサード。幅70m、高さ36mの縦ルーバーが1枚のスクリーンに見えるように、階の途中に下地材を設けず、各階の庇で支持している(写真:吉田 誠)
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4フロアある事務室は、間仕切りのない1室空間。スクリーンの密度は、事務室から目障りにならず、窓外の雑多な景観を適度にぼかすことも考慮している。天井に並ぶのは、放射冷暖房のパネル(写真:吉田 誠)
4フロアある事務室は、間仕切りのない1室空間。スクリーンの密度は、事務室から目障りにならず、窓外の雑多な景観を適度にぼかすことも考慮している。天井に並ぶのは、放射冷暖房のパネル(写真:吉田 誠)
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奥行き1.5mの庇の奥にある開口部は、太陽の傾きに合わせた遮蔽方法を考案。室内への日差しは足元から上がっていくので、ブラインドも床から上がるクライマー式を採用。ダブルスキンの中間層は約14cm。フロートガラスの厚さは、室外側が12mm、室内側が10mm(写真:吉田 誠)
奥行き1.5mの庇の奥にある開口部は、太陽の傾きに合わせた遮蔽方法を考案。室内への日差しは足元から上がっていくので、ブラインドも床から上がるクライマー式を採用。ダブルスキンの中間層は約14cm。フロートガラスの厚さは、室外側が12mm、室内側が10mm(写真:吉田 誠)
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