10月21日、東京目黒区の目黒雅叙園で「木材活用フォーラム2015」が開催された。会場では、セミナープログラムとして識者による講演も行われ、多くの聴講者を集めた。最初に壇上に立ったのは、早稲田大学創造理工学部建築学科教授の長谷見雄二氏。非住宅分野の建築物での木材活用をめぐり、防耐火技術と制度の現状と課題について語った。当日の講演の概要をレポートする。

(写真:小林 淳)
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早稲田大学教授 長谷見 雄二氏(写真:小林 淳)
早稲田大学教授 長谷見 雄二氏(写真:小林 淳)
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 「2013年頃から、木材活用を前提とした公共建築のコンペが増えた。これまでにはなかった、耐火性能を持つ大規模な木造建築が注目されつつある」

 このように講演を切り出した長谷見氏。その主張の根拠には、2014年の建築基準法改正がある。この改正により、条件は付くが、延べ床面積3000m2超の建築物や、準耐火構造に基づく3階建ての学校等の特殊建築物が、木造でも建てられるようになった。

 こうした木材活用を巡る変化を前提に長谷見氏は、2020年を目安に、近い将来に実現するだろう新たな木造建築と、その課題を語った。

2020年にはどんな木材木造が建つのか(写真:小林 淳)
2020年にはどんな木材木造が建つのか(写真:小林 淳)
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