銀座に建ったRCとツーバイフォーの5階建て

 京橋のイトーキSYNQAを後にして向かったのは、お隣の銀座だ。

 歩くこと約5分。銀座2丁目のオフィスビルなどが立ち並ぶ一角に、ツーバイフォーを使った5階建てビルがあるというので見に行った。

 あらかじめ検索した資料(木造建築技術先導事業評価・実施支援室のHP)に建物外観の写真があったので、間口約4mの狭小間口のビルを見つけることができた。委員からも「知らなければ、とくに気に留めることもなく通り過ぎてしまいそうな外観だ」という声が漏れた。

RC造・不燃の建物の街並みに溶け込んでいるツーバイフォーの5階建てビル(中央)(写真:村島 正彦)
RC造・不燃の建物の街並みに溶け込んでいるツーバイフォーの5階建てビル(中央)(写真:村島 正彦)
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 外壁はベージュ系の色合い。1階はRC造、2~5階がツーバイフォー工法の木造だ。1階は商業テナント用で2~5階は共同住宅だという。あいにく内部には入れなかったが、外観からは木造らしい雰囲気はほとんど感じられなかった。

1FはRC造、2~5階がツーバイフォーによる木造の5階建て(写真:村島 正彦)
1FはRC造、2~5階がツーバイフォーによる木造の5階建て(写真:村島 正彦)
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2~5階はツーバイフォーの枠組壁パネルに防水加工を施し、新規に認定を取得した強化石こうボードを貼り付けて耐火構造としている(写真:村島 正彦)
2~5階はツーバイフォーの枠組壁パネルに防水加工を施し、新規に認定を取得した強化石こうボードを貼り付けて耐火構造としている(写真:村島 正彦)
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 資料によれば、このビルの敷地にはもともと7階建てのRC造のビルが建っていたという。その後、更地にされ、駐車場として暫定利用されていた。敷地面積は約60m2と狭い。防火地域であり耐火建築であることが求められる。

 ツーバイフォーを採用したことで、柱型のない成型のフロアを狭小地でも確保でき、独自開発のタイダウンシステム、中層建築のための建て起こし工法の改良、パネル工法併用による施工性の向上などで、RC造や鉄骨造に比べて建築コストを軽減することも可能だという。銀座という、東京でも有数の繁華街において、木造で耐火建築を実証したことの意義は大きい。

概要(木造建築技術先導事業評価・実施支援室のHP上の資料による)

  • ツーバイフォー耐火店舗併用共同住宅
  • 中央区銀座2-8-8
  • 建物名称:サブデュー店舗併用住宅
  • 建物用途:店舗・共同住宅
  • 主要構造:1階・RC造+2~5階・木造枠組壁工法
  • 敷地面積:59.69m2
  • 建築面積:42.41m2
  • 延べ面積:212.05m2
  • 最高高さ:18.0m