世界16カ国で290プロジェクトが認証登録

 2014年末にWELL標準が発表されてから、世界ではすでに290ものプロジェクトがWELL認証取得のために登録された。国数は16カ国にわたっている。

図は2016年8月時点のもの。オーストラリアのマコーリー銀行は、既存ビルを改修しWELL認証を取得。自社の施設には世界的にWELLを展開していく予定だ(資料:Arup)
図は2016年8月時点のもの。オーストラリアのマコーリー銀行は、既存ビルを改修しWELL認証を取得。自社の施設には世界的にWELLを展開していく予定だ(資料:Arup)
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 アラップはいくつかのクライアントにコンサルティング業務を提供し、最近では香港のデベロッパーであるNew World Development (新世界発展有限公司)の704 King’s Roadプロジェクトにおいて、2016年8月に世界で初となるWELLの事前認証(ゴールド)を取得した。

 アラップは、自らのオフィス3カ所をWELL認証のパイロット・プロジェクトとして、認証の申請をしている。その1つである、アイルランドのコーク事務所の事例は以下の通りだ。

アラップのコーク事務所。吹き抜けからも採光でき、アートや様々なシーティング・スペースがある(写真:Arup Cork Office, One Albert Quay, Cork, Ireland ⓒf22 Photography)
アラップのコーク事務所。吹き抜けからも採光でき、アートや様々なシーティング・スペースがある(写真:Arup Cork Office, One Albert Quay, Cork, Ireland ⓒf22 Photography)
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 コーク事務所でWELL認証を取得しようと決めた際、事務所移転プロジェクトは実施設計期間中だったという。早速、現状分析を開始すると、36項目ある必須項目のうち、34項目がクリアできていた。満たせなかった2項目とは、「アクティビティ・インセンティブ(活動への動機づけ)」と「可動式家具の導入」だ。