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アラップ・トータルデザインの舞台ウラ

NYの「幻の地下鉄」、90年の時を経て開通

アラップ・トータルデザインの舞台ウラ(58)

2017/11/17

 米ニューヨーク市の地下鉄路線の1つ、IND2番街線(計画時の呼称はセカンド・アベニュー線)は、マンハッタンの東側を縦断する、全線完成時には16の駅を擁する路線である。10年に及ぶ工事を終え、2017年1月に区間の一部が開通した。

IND2番街線・72通り駅。開通したのは3駅、約3kmの区間(写真:© Charles Aydlett courtesy AECOM-Arup JV)

 このセカンド・アベニュー線、決して建設されることのない「幻の地下鉄」と呼ばれていた。と、言うのも、当初計画が発表されたのは1929年で、その後、世界恐慌、世界大戦、70年代のニューヨーク市の財政危機などで、計画の再開や中止を繰り返していたからだ。

現代アートが飾られた明るい駅構内。歩行者の行動シミュレーションによって、階段やエスカレーターの位置が決められた(写真:© Charles Aydlett courtesy AECOM-Arup JV)

 例えば、戦後の復興期には、3カ所でトンネルの着工をしたが、70年代の財政難で頓挫し、掘削しかけのトンネルはそのまま閉鎖された。

 1995年になると、また地下鉄計画が持ち上がった。現在、クイーンズとマンハッタンを結んでいるF路線の計画だ。その際に、1日の乗客数130万人(現在は160万人)と混雑の激しいレキシントン・アベニュー線の乗客を振り替える別の路線も必要だと、提起されたのだった。特に、マンハッタン東側のグランドセントラル駅と、ロングアイランドを結ぶ路線が完成し、この人をさばく交通が必要だった。

セカンド・アベニュー線は全区間が完成すると、ハーレムの125通りから、金融街のハノーバー・スクエアを結ぶことになる。赤いラインがフェーズ1(資料:©Arup)

 アラップは2001年にメトロポリタン・トランスポーテーション・オーソリティ(MTA)から、米エンジニアリング大手のAECOMとともに設計を依頼された(現AECOM-Arup JV)。

日経アーキテクチュア

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