レンガ仕上げの外装で既存棟と調和

 HdMの設計では、発電所だったときに人の目に触れることがなかったスペースを露出し、使用することがコンセプトの1つとなった。「タンク」と名付けられた地下部分の3つのシリンダー状のスペースは、以前はオイルが貯蔵され、発電機室に直接つながれていた。これらも美術館の一部として改修され、先行してオープンしていた。

地上に現れている形状からは想像しにくい地下のシリンダー状のタンクが展示スペースとなっている。発電所だったときの用途で人の目に触れなかったところを積極的に利用している(写真:Paul Carstairs)
地上に現れている形状からは想像しにくい地下のシリンダー状のタンクが展示スペースとなっている。発電所だったときの用途で人の目に触れなかったところを積極的に利用している(写真:Paul Carstairs)
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 HdMは、今回の増築にあたり、既存棟と新しい棟、との2棟ではなく、1つの塊として表現したかった、と語っているが、計画当初に示された案は、ガラスを積み上げたピラミッドのようなものだったという。それが、近隣の反対などを受けて検討を重ねた結果、重厚感のあるレンガ仕上げのなかに、スリット状のガラスが入った外装になった。

スイッチ・ハウス外装のアップ。1階ではレンガが密に配置され、上方では隙間をあけて、光が室内に入るようにしている(写真:Paul Carstairs)
スイッチ・ハウス外装のアップ。1階ではレンガが密に配置され、上方では隙間をあけて、光が室内に入るようにしている(写真:Paul Carstairs)
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