アジアのハブ空港として、エアポートランキングで常に上位にランキングする香港国際空港。2016年2月にミッドフィールド・コンコースが増築、オープンした。今回は、増築部分の自動輸送システムと環境設計の2点について紹介したい。
1998年7月に開港した現在の香港国際空港は、就航都市数190以上で、毎日1000便が離着陸している。成田空港の、海外108都市、日平均約700便に比較すると感覚がつかみやすいだろうか。香港国際空港は、2001年から05年までは、世界のベストエアポートにも選ばれ、その後も韓国のインチョン空港、シンガポールのチャンギ空港と競い合う、快適かつ環境配慮した空港として名高い。
世界的な旅客増を背景にその後も需要は伸び続けた。香港空港公団は10年にミッドフィールド・コンコースの増築のための実施設計者の入札を行い、アラップとモット・マクドナルド(英国)のJVが設計者として選定された。オープンは16年だ。
ミッドフィールド・コンコースは5層、延べ面積10万5000m2、鉄骨トラス屋根の建物である。乗降客は、ターミナル1から延長された既存の自動輸送システムを経由してアクセスする。
駐機場は19カ所で、そのうち2カ所は、ICAO(国際民間航空機関)が規定する、コードFと呼ばれるエアバスA380やボーイングの747-8Fといった、主翼間が65~80mの大型機に対応している。このミッドフィールド・コンコースの完成によって、さらに年間1000万人の乗降客の受け入れが可能になったという。