石のファサードが特徴の新しい議会場

 議会場は2つの巨大なボリュームから構成されており、軽快な印象を与える細い柱とバランスを取っている。最も北側のボリュームは議場で、南側のボリュームは議員の事務所や、首相や野党党首の事務所となっている。

2つのボリュームは中央の庭で分離されており、その庭はメーンエントランスでもある。中央の庭は前面道路から反対側の道路までの眺めが邪魔されないように考えられた(写真:Michel Denance)
2つのボリュームは中央の庭で分離されており、その庭はメーンエントランスでもある。中央の庭は前面道路から反対側の道路までの眺めが邪魔されないように考えられた(写真:Michel Denance)
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議会場のファサード。石は太陽の陰影を強調するかのように彫刻されている。自然光を取り込みながら太陽の熱を遮るものとして機能するとともに、建物内部からの眺めも確保している(写真:Michel Denance)
議会場のファサード。石は太陽の陰影を強調するかのように彫刻されている。自然光を取り込みながら太陽の熱を遮るものとして機能するとともに、建物内部からの眺めも確保している(写真:Michel Denance)
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巨大かつ繊細なテクスチャーを持つ石、というピアノ氏のイメージに合った石を見つけることも一苦労だった(写真:Michel Denance)
巨大かつ繊細なテクスチャーを持つ石、というピアノ氏のイメージに合った石を見つけることも一苦労だった(写真:Michel Denance)
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 環境への配慮も、この建物の主要なコンセプトである。地中熱利用がなされ、40個もの深さ150mの掘削孔を地中熱交換器としている。これは海面から100mの深さになる。また、屋根には600m2の太陽光発電パネルを設置している。これらの取り組みによって、冬の暖房に必要とするエネルギーの80%、夏の冷房に必要とするエネルギーの60%を賄っている。

地中熱を利用した設備の概略図。地下は、古いマルタ鉄道のトンネルと、駐車場に使われていた地下躯体を接続し、公共に開放した(資料:Arup)
地中熱を利用した設備の概略図。地下は、古いマルタ鉄道のトンネルと、駐車場に使われていた地下躯体を接続し、公共に開放した(資料:Arup)
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奥行きの深い石のファサードが強い日差しを遮りつつ、眺望や換気を確保している(写真:Michel Denance)
奥行きの深い石のファサードが強い日差しを遮りつつ、眺望や換気を確保している(写真:Michel Denance)
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