「版築」のレセプション棟

 レセプションの建物は、5mの高さの土の壁が印象的な建物となっている。これは、この地の古代の地層をイメージさせるシンボルとしてつくられたものだ。450mmの厚さの壁は、土を強く突き固めたもので、いわゆる「版築(はんちく)」である。風化の影響が大きい壁の天端や足元部分は、セメントの役割をする石灰分をより多く含んだ土が使われている。

 この版築は南アフリカでは一般的な工法ではなく、性能や経験からアラップが提案し、サンプルをつくって地場の土の中から最適なものを選定した。

版築の壁。土の成分や砂利の粒の大きさで、自然なグラデーションができるようにつくられた(写真:Arup)
版築の壁。土の成分や砂利の粒の大きさで、自然なグラデーションができるようにつくられた(写真:Arup)
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内部の一部分は、版築の壁のテクスチャーと小枝の日除けがつくる影が重なり、表情豊かな仕上げとなっている(写真:Arup)
内部の一部分は、版築の壁のテクスチャーと小枝の日除けがつくる影が重なり、表情豊かな仕上げとなっている(写真:Arup)
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