自然換気促す「リボン・キャノピー」
足元のキャノピーは、大きくうねり、その形態から「リボン・キャノピー」と呼ばれている。キャノピーの端部は、アーチ状に大きく開いており、これが集風の役割を果たしてキャノピー内の自然換気を促している。また、キャノピーに降った雨水は、谷間状になっているところを通って集められ、外構の散水に使われる。
リボン・キャノピーは複雑な構造に見えるが、原則はボールト屋根の連続である。キャノピーの平均高さは地上30m。支柱は上端で2股に分かれたY字形をしている。キャノピーの梁と、梁間をつなぐ小梁はボックス形状になっており、水平力に対する剛性を高めている。
完成後、サウス・ビーチでは様々なイベントも行われているが、さすがに世界の先端を行くシンガポールだと思われるのが、シンガポール健康増進局(Health Promotion Board)が開発事業者のサウス・ビーチ共同企業体と一体となって、スポーツイベントを開催している点だ。
世界中で健康に関心が高まるなか、「職場から始める、より健康なライフスタイル」と銘打って、キャノピーの下でフィットネス・クラスが行われたり、近隣でフットサルが開催されたりする。終業後の1時間程度、頻繁にイベントが予定されており、ネットから簡単に予約できる。ビジネスパーソンたちが、キャノピー下のバーに集まることも可能だが、健康的な集まりがご時勢である。