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アラップ・トータルデザインの舞台ウラ

超高層の外皮に木製ブラインド?省エネ時代の薄型外装

アラップ・トータルデザインの舞台ウラ(50)

2017/03/15

セラミックプリントでさらなる日射制御

 先述の通り、1 New Burlington Placeの外壁面は鉛直方向に湾曲している。カーテンウオールは上階に行くほど上向きに傾斜しているため、日射負荷は上階の方が大きい。アウタースキンの検討には、セラミックプリントの有無、Low-E膜の品種、ブラインドの有無をパラメータとし、温熱環境解析を数限りなく行った。

1 New Burlington Placeの最上階内観。上向きに傾いた上部のガラスには、高い遮蔽率でセラミックプリントが施されている。(写真:Paul Carstairs/Arup)

 年間の解析結果から各階のキャビティ内のピーク温度、日射遮蔽性能、さらにはブラインド必要時間数を算出。上向きに傾斜した部分にはLow-Eガラスとセラミックプリントを施し、鉛直面および下向きの部分は透明とする仕様に決定した。セラミックプリントは、珍しい6角形パターンで、上階の遮蔽としてだけでなく、下階では意匠として展開されている。

セラミックプリントのパターンは6角形で構成される(写真:Paul Carstairs/Arup)

省エネの新たな選択肢

 いよいよ始まる省エネ基準適合義務化に向け、戦々恐々とする今日。省エネ適判において、外皮性能PAL*の届け出は義務付けこそされていないものの、当然、外皮性能は建築全体の一次消費エネルギーを大きく左右する。これまでも日本では、外皮性能への要求の高まりから、エアフローウィンドウやダブルスキンといった様々な外装システムが登場してきた。

 CCFは、キャビティを密閉し、清掃しないという日本の慣習からはにわかに信じがたいシステムかもしれない。世界でもまだカーテンウオールメーカー2社しか技術を持たない。しかし、意匠的な自由度の高さにおいては、他のシステムに比べ大きく抜きん出ている。省エネは意匠の妥協を伴うという既成概念に、一石を投じる新たな選択肢となり得るのではないだろうか。

柿川 麻衣(かきかわ まい)
アラップ東京事務所/ファサードエンジニア
柿川 麻衣(かきかわ まい) LEED評価員(NC)。東京大学大学院工学系研究科建築学専攻修了後、2010年アラップ東京事務所に入社。外装設計に加え、自然換気や日射制御等の室内環境から屋外の風環境まで、幅広く外装のエンジニアリング・コンサルティングに携わる。
菊地 雪代(きくち・ゆきよ)/執筆協力
アラップ東京事務所、アソシエイト/シニア・プロジェクト・マネージャー。2011年9月よりケンプラッツ、日経アーキテクチュア・ウェブにて、アラップが関与したプロジェクト紹介の記事を連載

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