スタジアム専門家と建築家、エンジニアの共同作業
ボウルの形態は、観客席の配置のみならず、敷地条件、周辺への影響、観客席を覆う屋根の形状、天然芝への日射の確保などの制約と照らし合わせることによって決まる。建築計画、構造・環境性能など互いに関係し合うこれらの多様な条件に適合する案は、1つとはならず複数生まれる。
その相互関係を把握し、複数あるオプションを相対的に比較しながらパラメーターを調整することで、最適解を導き出す。StaGによって生成したボウル形状とそれを覆う屋根、コンコースなど平面計画との関係性を効率的に比較検討することで、スタジアム全体への影響を検証していく。
これらの条件整理と結果の判断は、数々のスタジアム設計経験を持つ専門家と建築家、エンジニアとの共同作業によって行われる。3次元CADを単なる形をつくるツールに留めるのではなく、構造や環境・設備、ファサードなどいかに様々なエンジニアリングをそこに統合するかがスタジアムデザインの鍵となる。
StaGは、今やアラップが世界中で手掛けるスタジアムやスポーツ施設の設計ツールとして欠かせないソフトとなりつつあり、今後更なる進化が期待される。
スタジアムに限らず建物全般の設計プロセスのなかで、様々なエンジニアリングを統合し多面的に協調しながら具現化することで、独創的なアイデアが生み出される。新しいことに挑戦しようと思う好奇心と情熱が不可能を可能にする。総合エンジニアリング会社のチームワークが成せる技である。
シニア構造エンジニア / ビルディングエンジニアリング
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