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アラップ・トータルデザインの舞台ウラ

NYで話題の音楽ホール、築80年超の工場をリノベーション

アラップ・トータルデザインの舞台ウラ(49)

2017/02/17

 米国・ニューヨークのマンハッタンから、イースト川を渡った所にあるブルックリン。長らく製造業が盛んで下町的な雰囲気の場所であったが、1990年~2000年代にかけて、ドラマや映画の舞台となり、ヒップスターと呼ばれるような中産階級が流入し始め、その地域はアートやサブカルチャーを牽引する場所となっていった。

 そのブルックリンのウィリアムズバーグ地区に、「ナショナル・ソーダスト」(National Sawdust)と呼ばれる、小さな音楽ホールが2015年末にオープンした。ソーダストとは、おが屑のこと。かつて、おが屑を扱う工場だったレンガの建物を活用したリノベーション・プロジェクトである。レンガの壁に大胆に描かれたグラフティーが、ブルックリンの街の現在の雰囲気を表している。

ナショナル・ソーダストの外観。築80年以上のレンガの建物はそのままに、窓を設置したり、アートを描いたりしている(National Sawdust, New York 設計:Bureau V and Arup 写真:Floto + Warner)

 「音響的に完璧で、かつ、25歳から65歳までの人が同様に感激するような美しい建物が欲しい」というのが、発注者であるケビン・ドラン(Kevin Dolan)氏の要望だった。ブルックリンで若手3人で活動していた設計事務所のBureau V(現在は移転)は、この要望を受けて、特に人気が上昇しているウィリアムズバーグ地域で良い場所がないか、自転車で探し回ったそうだ。そして倉庫となっていた、1200m2ほどのナショナル・ソーダストを見つけ、レンガの建物をそのまま利用することを決めた。

 1933年にはこの工場が稼動していたので、建物は築80年は超えている。1ブロック北側には、ニューヨークの地下鉄・Lラインが走っており、騒音や振動も気になるところだ。

意匠的にも音響的にも妥協が許されない、厳しい要求から生まれた空間 (Interior of National Sawdust, New York 設計:Bureau V and Arup 写真:Floto + Warner)

日経アーキテクチュア

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