2.ステークホルダーを巻き込む

 100RCでは、地域で暮らす人々などのステークホルダーが戦略づくりのプロセスに積極的に参加することを重視している。官・民・学・NPOなどの地域密着型組織を含み、性別、年齢、所得層などに偏りなく、横断的で包摂的な形となるよう、様々なテクニックやアウトリーチ(地域奉仕や現場出張の活動)の手法を使いながら、支援者を増やしていくこと自体が、都市レジリエンス向上のプロセスとなっている。

 さらに戦略を具体化していく過程では、ステークホルダーを巻き込んだワーキンググループが調査、分析。その都市ならではのニーズを発見し、アプローチをデザインしていく。アラップのような戦略パートナーや、「プラットフォームパートナー」と呼ばれる専門分野で進んだ技術や経験を持つ企業、研究機関なども加わり、技術的なインプットを行っていく。こうしたことも100RCが提供する価値の1つである。

【100RC実例-2】グラスゴー市(英国)の担当チームは初期評価のため、25日以上をかけ、市内15地区で1500人を超える市民からの聞き取り調査を行った。声が聞かれにくいグループにも発言の機会を与えるように考慮し、9つのステークホルダーグループと12回に及ぶワークショップを実施した。子どもやユース世代向けにはアートプロジェクトを計画。1200人以上が参加し、レジリエントな未来のために必要な要素を抽出した(資料:©Arup)
【100RC実例-2】グラスゴー市(英国)の担当チームは初期評価のため、25日以上をかけ、市内15地区で1500人を超える市民からの聞き取り調査を行った。声が聞かれにくいグループにも発言の機会を与えるように考慮し、9つのステークホルダーグループと12回に及ぶワークショップを実施した。子どもやユース世代向けにはアートプロジェクトを計画。1200人以上が参加し、レジリエントな未来のために必要な要素を抽出した(資料:©Arup)
[画像のクリックで拡大表示]