日経ホームビルダー6月号では「特報 熊本大地震 新耐震でも壊れた」をお届けします (資料:日経ホームビルダー) 
日経ホームビルダー6月号では「特報 熊本大地震 新耐震でも壊れた」をお届けします (資料:日経ホームビルダー) 
[画像のクリックで拡大表示]

 日経ホームビルダー6月号は、予定していた二大特集を「特報 熊本大地震」に差し替えてお届けします。熊本地震は、今後の家づくりに大きな影響を及ぼす契機となると判断したからです。

 熊本地震と阪神大震災(1995年)は、似ている点があります。マグニチュード7.3の直下型地震が引き起こした最大震度が7の地震被害という点です。ただし、最大震度7の地震が2度起こり、戸建て木造住宅にとっては阪神大震災よりも厳しい地震動が観測されるなど、実務者の想定を超えた地震だったともいえます。

 それを象徴するのが、ホールダウン金物の破断です。ホールダウン金物が告示で規定されたのは2000年。阪神大震災の被害を繰り返さないために導入されました。そのホールダウン金物が切れて、住宅が倒壊したのです。

 本誌取材班は、被害の実態をリアルに把握するため、熊本県益城町のある地区について、住宅被害の状況を踏査する独自調査を実施しました。対象は、前震直後の被害状況を推測できたエリアを中心に木造住宅、計57棟。住民へのヒアリングを含め、本震による被災状況や竣工年などを調べました。その結果、本震後に崩壊や大きな変形といった甚大な損傷を生じていた木造住宅は、57棟中21棟と、36%に及びました。そのうち8棟は、前震では大きな損傷には至っていなかったものだということも分かりました。

 こうした現地取材で明らかになった事実に識者の分析結果などを加えて、既存住宅の耐震性能の課題をあぶり出していきます。日経ホームビルダーの熊本地震報道にご期待ください。


日経ホームビルダー6月号の記事一覧