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編集長が語る日経アーキテクチュアの見どころ

AIだけじゃない、“定番”の技術革新の面白さ

2017/11/22

 2017年11月23日号の特集は、毎年恒例の「採用したい建材・設備メーカーランキング」です。

 一級建築士3390人のアンケート回答をもとに、49部門について建材・設備メーカーの採用意向をランキングにまとめました。注目製品の開発秘話なども含め、計28ページを割いた大調査企画です。日経アーキテクチュア購読者の方は、ランキングの詳細データをこちらでご覧いただけます。

 特集では、ランキングと2部構成の形で、この1年間に本誌「新製品」欄や当ウェブサイトの「製品ガイド」欄で紹介した中から、約10の注目プロダクトを改めて詳述しています。共通テーマは「省エネ」です。

 このなかで筆者が個人的に興味を持ったのが、トリナ・ソーラー・ジャパンの「DUOMAX twin」という太陽光発電パネルです。この製品の発電効率の上げ方を読んで、「なるほど!」と声が出そうになりました。

「DUOMAX twin」の表面(左)と裏面(右)。影による発電阻害を防ぐため、ジャンクションボックスを発電セルに重ならない上部に配置している(写真:トリナ・ソーラー・ジャパン)

 「DUOMAX twin」は、両面受光型の発電セルを高透過倍強度ガラスで挟み込んだ太陽光発電パネルです。「両面受光…」? そう、このパネルは、一方の表面が通常のように直達光を受けて発電し、さらにその裏面でも、地面やコンクリート、水面などから反射した光を取り込んで発電するのです。

裏面でも受光するので、従来利用されていなかったモジュール直下のコンクリートや芝生、砂地からの反射光も吸収し発電量を増やせる(資料:トリナ・ソーラー・ジャパン)

 以下は記事からの引用です。

 「1モジュール分で直達光側の片面の最大出力は290~310W。その裏面の分を加えると5~20%の出力増加を期待できる。両面発電という機能から、同社(トリナ・ソーラー・ジャパン)は、まずは砂地や水上、積雪地などでの導入を想定している。いずれも、裏面への反射光を期待した分かりやすい導入例だ。

 また、コンクリートなどの反射光も利用できるうえに、発電セルのタイプによっては垂直に設置することも可能なので、建築物や土木構造物の外装部分といった箇所での利用も期待できる。同社は、鉄道駅や高速道路などの防音壁部分を設置面に生かすといった例を挙げる」

 太陽光発電パネルの発電効率を上げるために各国の研究者が切磋琢磨(せっさたくま)するなかで、「両面受光」という“コロンブスの卵”のようなこの技術。今後を注目せずにはいられません。

 このほか、エービーシー商会のライトシェルフ(上面に反射させた自然光で室内照度を上げる庇)、「ライシェル」にも、「なるほど」とうなりました。

「ライシェル」の断面は緩いS字型。右の写真のように開口上部の採光窓下に設置する。上面で日射を反射させてより多くの自然光を室内の天井部に取り入れることで、室内の照度を向上させる(写真:エービーシー商会)

 一般的なライトシェルフは、設置する建築物の立地や日射角度といった条件に合わせて、形状や取り付け角度を個別に調整する必要がありますが、「ライシェル」は断面を緩いS字形にすることで、条件を問わず、開口部の所定の位置に取り付けるだけで性能を発揮するそうです。

 昨今は、「技術」というとすぐに「AI(人工知能)」や「IoT(モノのインターネット)」に結び付けたくなります。確かに、そうした“未開分野”で大きな変革が起こっており、それは我々もウオッチしていますが、一方で、一見変化のなさそうな“定番領域”にも、今後の革新の種となりそうなアイデアが芽生えているということを、今回の特集を読んで改めて感じました。頑張れ、定番!

宮沢 洋日経アーキテクチュア

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