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編集長が語る日経アーキテクチュアの見どころ

「賞」総なめの環境建築を追跡!

2017/11/08

 日経アーキテクチュアが創刊間もないころから不定期で続くシリーズ記事に、「有名建築その後」があります。社会や建築界で話題になった建築物の「十数年後の変わりよう」あるいは「変わらなさ」をリポートする記事です。ここ数年やっていなかったので知らない人もいるかもしれませんが、日経アーキテクチュアの取材姿勢を建築界に知らしめた名物シリーズといえるものです。

 2017年11月9日号の特集は、その名物シリーズの名を借りた「有名環境建築その後~『賞』総なめの注目プロジェクトを追跡」です。

 筆者が編集長になって1年半になりますが、この企画はその前からずっとやりたいと思っていたものでした。

 前述の「有名建築その後」を筆者も記者時代に何度か書いたことがあります。この欄のネタ探しは、その建築が竣工から長い年月を経て大規模な改修をしたり、あるいは取り壊しの議論の渦中にあったりと、“大きな節目”のタイミングを狙います。

 取材を通して得られる教訓は、いわば“建築の本質”を考えるもので、“実務に直結”という類のものではありません。もちろん、そうした記事に大きな意味があることは承知していますが、一方で“竣工から数年後の日常”にも実務に直結するヒントが多くあると思っていました。そういう身近なその後を随時拾っていかないと、建築が進歩していきません。

 その1つが環境配慮の取り組みです。本誌でも数多くの環境配慮型建築を取り上げています。文化施設ならまだしも、オフィスや研究所といった民間の施設は竣工後に中に入ることが難しく、環境配慮の取り組みがうまくいっているのかどうかがよく分かりません。やみくもにそうした建築に「その後を取材したい」と取材依頼を出してみても、多くは門前払いでしょう。ずっとやりたかった企画なのに、なかなか踏ん切りがつかなかったのはそういう理由からです。

 そこに、突破口となるニュースが舞い込みました。本誌でも2013年に取り上げた「ROKIグローバルイノベーションセンター」(2013年完成、以下ROGIC)が今年度の日本建築学会賞作品賞を受賞したという知らせです。

南西側から見たROGICの外観。庇のように南面に張り出した箇所は、内部の明るさを重視して一般的な合わせガラスを採用。北側はダブルLow-E複層ガラスとした(写真:川澄・小林研二写真事務所)
2017年2月にJIA日本建築大賞を受賞した際の小堀哲夫氏。関連記事はこちら(写真:日経アーキテクチュア)

 ROGICは小堀哲夫建築設計事務所の小堀哲夫代表が設計した建築で、すでに2015年にBCS賞を、2017年に入ってJIA日本建築大賞を受賞しており、これで建築界の主要な賞を3つ制覇したことになります。

 この報を聞いて、「そうか、過去に賞を受賞した環境建築を調べればいいのか」と気付きました。審査段階で現地調査のある賞ならば、複数の審査員が「設計時に想定していた取り組みがうまくいっているかどうか」を確認しているはずです。「『賞』総なめの注目プロジェクトを追跡」という方向性が決まりました。

 そうして出来上がったのが今回の特集です。目次を見てみましょう。

対談/気流をつくらず冷気取り込む

  • 三分一博志氏(三分一博志建築設計事務所 代表)×濵中満氏(直島町 町長)
    直島ホール(2015年完成)
    2017年日本建築学会賞作品賞、第58回BCS賞(2017年)などを受賞

運用検証/自然の力と最新設備使い分け

米国現地ルポ/敷地環境や内装も重視

プロジェクト比較

宮沢 洋日経アーキテクチュア

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