この「編集長が語る日経アーキテクチュアの見どころ」というコラムを私(宮沢)が書くようになって今回が12本目です。「10本目には何か節目っぽいことを書こう」と思っていながら、いつの間にか節目が過ぎていました。日々のニュースに追われる編集という仕事では、「何回記念」「あれから何年」は得てして忘れがちで、後になって「しまった」と思うことがしばしばです。

[画像のクリックで拡大表示]

 9月8日号の特集「経営動向調査」は、長年の読者の方はよくご存じの年イチ定番企画です。この企画、いつからやっているのだろうかと調べてみると、同様の企画を創刊年である1976年から毎年やっていることが分かりました。今回で41回目となります。これも本当なら昨年、「ついに40回!」とうたうべきだったかもしれません。

 第1回目の記事(1976年6月28日号)のタイトルは、「不況の傷跡まざまざ」。その後の40回を見出しを調べてみると、およそ4分の3がネガティブな内容でした。では、2015年度の決算調査をもとにした今回の特集はどうかというと、こんな見出しです。

 「今こそ人材育成~好業績に慢心せず育成・連携の達人に学べ

 「好業績に慢心せず」のサブタイトルからも分かるように、15年度決算は設計事務所、建設会社とも、近年にない好調な結果でした。特別に設計事務所の設計・監理業務売上高上位10社のランキングをお見せしましょう。

右から2列目が設計・監理業務売上高(単位:百万円)。右端のカッコ内は対前年度伸び率
右から2列目が設計・監理業務売上高(単位:百万円)。右端のカッコ内は対前年度伸び率
[画像のクリックで拡大表示]

 上位10社のうち、前年度よりも設計・監理業務売上高が減ったのは2社だけです。1位から3位までは2けた台の大きな伸びを示しています。

 ただ、全体が伸びているなかで各社の伸びた理由を深掘りしても、あまり今後の参考にはなりません。編集的には悩ましいところです。そこで、今回は「どのように人を育てているか」をテーマに取材しました。企業の最大の財産は人材。特集のメーンタイトルに示したように、「今こそ人材育成」の好機と捉えたわけです。特集の雰囲気は、当ウェブサイトのこちらの記事(記者の目「社外OJTで現場が変わった」)でも感じていただけるかと思います。

 また、日経アーキテクチュアの購読者の方はぜひ、「読者限定ウェブ記事」の「用途別売上高ランキング上位30社」のデータ(こちら)もご覧ください。誌面では上位10社までを掲載している用途別売上高ランキングについて、11位~30位までを含めた詳細データを掲載しています。また、過去の調査データもご覧になれます。