[Dimension 3D Printer] 愛知万博の跡地利用施設の模型を山下設計が3Dプリンタで作成(丸紅情報システムズ)-PR-

2007/12/04


建築設計事務所では最近、3次元CADをパースやCGといったグラフィカルな用途だけでなく、建物や施設の構造を表現する「ものづくり」のためのツールとして活用する動きが盛んになりつつある。3次元の「モデルデータ」から、図面や構造計算書、数量計算書などの設計図書を作成することにより、プロジェクトに関するすべての書類の整合性を保つのが大きな狙いだ。

それは建築模型も例外ではない。最新の設計データに基づいた模型を作成し、施主へのプレゼンや周辺住民への説明などをわかりやすく行うことがスピーディーな合意形成を可能にし、スムーズで顧客満足度の高い建設にプロジェクトにつながるのだ。

こうした時代の変化を背景に、建設業界で注目を集めているのが、3次元CADデータをそのままの形で立体の模型として作成できる「3Dプリンタ」だ。なかでも、ABS樹脂のプラスチック模型を作成できる丸紅情報システムズの3Dプリンタ「Dimension BST768」は、低価格で使いやすいこともあり、世界中のユーザーに5000台以上も売れている人気機種だ。(注:旧・丸紅ソリューションは2007年10月1日、丸紅情報システムズと合併し、“新生”丸紅情報システムズとして新たなスタートを切った)

そこで、今回は山下設計にこの3Dプリンタを持ち込み、同社の情報システム室室長を務める石井主富さんと、CGデザイナーの横山忠夫さんに建築設計事務所での用途や使い勝手を評価していただいた。

愛知万博の跡地利用施設の模型を3Dプリンタで作成した山下設計情報システム室室長の石井主富さん(左)とCGデザイナーの横山忠夫さん(右)。模型用の芝材や植栽材を使って美しい仕上がりとなった(写真、画像:特記以外は日経BP社) 模型の製作に使った丸紅情報システムズの3Dプリンタ「Dimension BST768」(写真:山下設計)
愛知県が愛知万博の跡地に建設する「愛・地球博記念公園 地球市民交流センター」の1000分の1模型。4分割して作った地盤の上に、人工地盤などの構造物を配置した。植栽部分は模型用の材料で表現



地表面と一体化した建物や道路は曲面の連続
愛知万博の跡地施設の模型作りにチャレンジ



愛知県が、2005年に開催された愛知万博の跡地に建設する「愛・地球博記念公園 地球市民交流センター」は、なだらかな起伏のある台地の形に溶け込むように設計された施設だ。建物は地盤に吸い付くように複雑な曲面を組み合わせたデザイン、各施設をつなぐ道路も緩やかな曲線を描いている。同施設の設計を担当する山下設計がチャレンジしたのは、この複雑な形状の施設を1000分の1スケールで忠実に製作することだった。

「愛・地球博記念公園 地球市民交流センター」の完成予想図(画像:愛知県・山下設計)



「3Dプリンタ『Dimension BST768』で造形できる範囲はタテ、ヨコ約20cm四方なので、これを最大限生かせるように全体を4分割して作ることにしました」と、横山さんは説明する。「スチレンボードなどを積み重ねる方法だと、高さ方向の精度が悪くなりがちですが、3Dプリンタは高さも忠実に再現できるので、模型の精度はずっと高くなったと思います」(同)という。

体育館のドーム屋根や、この施設のハイライトとなる曲線で構成された人工地盤、高架橋などは、基盤とは切り離して作成した。これらの建物が微妙な勾配の地盤にフィットさせるため、建物や地盤の3次元データを作る際に地盤モデルから構造物モデルをブーリアン演算という方法で“引き算”することにより、建物と地盤がピタリと合うようにした。地盤と建物を分けて造ることで、模型の分割部分が目立たないというメリットもあった。

また、材料の使用量を節約するために地盤部分の裏側は空洞にしたうえ、上下逆さにして造形した。「こうすると、空洞部分をサポート材なしで作ってくれるので、さらに材料が節約できました」(横山さん)

建物や構造物などは地盤とは分けて製作した(左)。右は造形直後のパーツ
体育館のドーム部分の造形用データ(左)は、ブーリアン演算で地盤と切り離して作成した。右は作成したドーム



AutoCADとDRA-CADで設計したデータを
3ds MAXに読み込んで造形用データを作成



模型の造形に使ったデータは、実際の設計で作ったデータを基に作成したものだ。「AutoCADやDRA-CADを使って設計した建物や地形のデータを3ds MAXに読み込み、模型の各パーツのデータを作成しました。最後にをDimensionで造形するためのSTL形式のデータを作りました」と横山さん。

データをセットして退社した後は、Dimensionが夜間に模型を作成。翌朝、出社したときには模型のパーツが完成しているという具合だ。「設計変更があったときも、変更された部分だけを造形して模型上で差し替えられるので、常に最新の設計を反映した模型が作れるのは魅力」と石井さんは言う。石井さんと横山さんは、3Dプリンタを使ったのは今回が初めてだったが、2週間くらいでこの模型を作ることができた。

模型の材質はプラモデルと同じABS樹脂なので丈夫だ。塗装も同様にラッカーなどで行うことができる。今回は、模型用の芝や樹木材を使って、植栽部分にお化粧を施した。「道の部分は、周囲よりごく低くして、植栽部分との境界がわかりやすいようにしました。そこにマスキングテープを貼って植栽を施し、あとでテープをはがすことで、リアルなくっきりとした仕上がりになりました」(横山さん)。

●模型の作製手順                     (以下6点の写真:山下設計)
各模型の各パーツの3次元データを作り、STL形式に変換して3Dプリンタ「Dimension」で造形する 基盤の上に造形された各パーツ。この人工地盤のパーツは上下を裏返して造形したもの
部材が浮いている部分には「サポート材」が自動的に取り付けられているので外す サポート材を外し、地盤の模型上に人工地盤や体育館のドームなどを配置したところ
道など、植栽以外の部分をマスキングテープでカバーする 模型用材料をのり付けした後、マスキングテープをはがす



大きなスケールの模型で人工地盤内部の採光を確認
3Dプリンタは建築デザインの自由度を広げてくれる



この施設のハイライトとなる人工地盤部分には、明かりとりの開口部があり、太陽の光が内部の空間に射し込む設計になっている。そこで、人工地盤の内部の空間が、どのように見えるかを検証するため、250分の1の大きなスケールで作成した。3次元の複雑な曲面を持つ人工地盤のような構造物の模型は、3Dプリンタがあってこそ、作ろうという気持ちになるだろう。

同社国際設計部の部長を務める藤沼傑さんは、「こうした検討はCGやバーチャルリアリティでも行うことができますが、建築の専門家ではないお施主さんにはスケール感がつかみにくい。やはり、模型の方がわかりやすいです」と言う。

藤沼さんは「例えば、建物の雰囲気に合ったオリジナルなドアノブなどを作る際にも役立つのではないでしょうか。これまでは試作品の作成だけでもかなりの費用がかかるので、初めからあきらめていた面がありました。3Dプリンタは建築のデザインの自由度を広げてくれます」と建築設計事務所での3Dプリンタの活用方法を展望している。

人工地盤内部のCG(左)と250分の1スケールで作った模型の内部(右)  (左右の画像:愛知県・山下設計)
250分の1スケールの人工地盤模型。これくらいの大きさなら1回の造形で作れる 「3Dプリンタは建築設計の自由度を広げる可能性がある」と語る山下設計国際設計部部長の藤沼傑さん




●製品についての問い合わせ先●

  丸紅情報システムズ株式会社
  デジタルエンジニアリング事業部 モデリングソリューション部
  〒150-0002 東京都渋谷区渋谷3丁目12番18号 渋谷南東急ビル 

  東京    TEL:03-5778-8069/FAX:03-5778-8909
  大阪    TEL:06-6395-5525/FAX:06-6395-5549
  名古屋   TEL:052-238-3475/FAX:052-238-3469
  URL http://www.marubeni-sys.com/de/dimension/
  問い合わせ https://www.marubeni-sys.com/cgi-bin/de/dimension/inquiry/index.cgi?p=1




家入 龍太

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