紺野登の「知で革新するワークプレイス」
多摩大学大学院の紺野教授が知識創造に果たすオフィスの役割をひも解きます
目次
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未来をつくるワークプレイス、欧州発祥の「フューチャーセンター」
都市で人的ネットワークの力を活用し、社会経済に革新を起こすワークプレイスの事例を紹介する。「フューチャー(未来)センター」と呼ぶ欧州発祥の施設だ。中長期的な課題解決を目指し、幅広く関係者が集まって対話する創造的な協業の場である。
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ワークプレイスを起点に建築を考える、乃村工芸社の新本社ビル
ディスプレーデザイン分野の最大手である乃村工芸社が新本社ビルを建設したときの取り組みを紹介する。社員であるクリエーターのための場を生み出すために、建築家が従来と異なったアプローチを採用した。
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新たなものづくりの場への挑戦、日産先進技術開発センター
創造を実践する「型」を生み出すことが企業の課題となっている。単に現場を“見える化”することにはとどまらない。ないものを生みだす行動を助ける場をつくらなければならない。そんな狙いから、日産自動車が2007年5月に開設した日産先進技術開発センター(NATC、神奈川県厚木市)を紹介する。
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新しい本社の「七つの条件」、竹中工務店やユニクロ、ソニー
20世紀に企業の規模が拡大する過程で本社機構は肥大化し、「本社」という言葉は官僚制のイメージをまとうようになっている。近年に完成したオフィスを手がかりに「本社とは何か」との観点から考えてみたい。
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継続的なコミュニケーションでコラボレーション型研究に対応、英ケンブリッジ大学の数学科学センター
良いワークプレイスづくりのプロセスは、企業のオフィスだけではなく大学でも同じだ。今回は大学のワークプレイスづくりについて考えてみたい。
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ワークプレイスをデザインするアプローチ、情報処理型から知識創造型へ
「ワークプレイス」という単語を使うとき、単なるハードウエアとしてのオフィスではない、それ以上の何かを示している。つまり人間的要素、とりわけ、ナレッジワーカー(知識労働者)の視点から働く「場」をとらえることを狙っている。その視点からワークプレイスをデザインするには、どのようなアプローチがあるのだろうか…
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知の協業を支える新本社、デンマークのオーティコン
今回は、革新的ワークプレイスで再生し、持続的にイノベーションする企業に変身したデンマークの補聴器メーカー「オーティコン」の新本社を紹介する。
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「ワークプレイスはネットワークである」、距離の壁を越えて集う
今回は、「バーチャル・ワークプレイス」の可能性、そして具体化した「リアルプレゼンス」(現実的存在感)技術などについて考えてみよう。
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知識産業との“二人三脚”で成長した「場」のデザイン・サービス、米ゲンスラー
ワークプレイス革新の波及効果で、建築サービスも大きく変化している。代表的な例が、米国サンフランシスコに拠点を置くデザイン事務所のゲンスラー・アンド・アソシエイツだ。
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草の根から全体を変える、日立グループのワークプレイス革新
2010年に創業100年を迎える総合電機のトップ・メーカー、日立製作所。この日立グループの各所で、自発的にワークプレイス革新が始まっている。
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変化する組織の日常的な場、米DECの北欧オフィスから発祥
知識経済あるいは知識社会の進展とともに「知のワークプレイス」が出現してきた。その役割は業務処理の効率化ではなく、個々人のアイデアや問題解決のためのノウハウなど、経済価値の源泉となる「知識の創造」である。
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知のプロフェッショナルのための場、ソフトバンクテレコム
「ワークプレイス革新」の波が日本にも押し寄せている。「ワークプレイス」とは、物理的なオフィスの機能や形態だけでなく、情報環境、働く人々の知識創造のプロセス、コミュニケーションの仕方や文化まで含んだ「場」を意味している。背景にあるのは知識社会・経済の台頭だ。知識労働者(ナレッジワーカー)による価値創造…