訪日外国人による国内ホテル市場へのインパクトを推し量るため、訪日外国人の増加によるホテル稼動率の押し上げ効果を推計した。韓国・台湾・香港・中国という4カ国・地域からの訪日外国人について、東京都・大阪府・北海道・福岡県の4エリアの稼働率に与える影響を推計したところ、東京都で21.7%、大阪府で15.6%、北海道で5.0%、福岡県で11.3%という押し上げ効果があった。日本政府は2020年までに訪日外国人を年間2000万人に増やしたいとしており、これを近く達成できるとの予想になっている。しかし、東京都・大阪府・福岡県といった地域では、ホテル客室数(供給)と訪日外国人(需要)の需給バランスがすでに逼迫している。これらの地域での宿泊地整備などが喫緊の課題といえる。