土壌汚染を適切に管理しながら土地の有効利用を促す活動が、本格的にスタートする。一般社団法人土地再生推進協会(光成美紀代表理事)は7月15日、東京・日本橋で「土地再生シンポジウム」を開催し、事業内容を公表した。専門家が第三者として汚染状態を認証し、用途に応じた対策を指南することで、汚染された土地の再生につなげる。

 従来は軽微な汚染でも過大な対策を求められることが多く、塩漬けにされる土地の発生を招いていた。協会は、健康被害の恐れがない土壌汚染に関しては、過度な対策費用をかけずに管理する方法を提唱していく。需要の多そうな対象地として、工場、ガソリンスタンド、クリーニング店、病院、診療所などを想定している。

 土地再生を進めるために、認証、保険、事業性評価の一連のしくみを用意した。認証は健康被害や敷地外漏洩などを評価軸として、4段階で格付けする。認証取得に要する費用は面積や地歴などによって異なり、数十万円から数百万円になる見通しだ。

 保険は会員の損害保険会社が提供するもので、認証地の土壌汚染が原因で発生した第三者の健康被害などを補償する。財物の補償はオプションで対応する。保険費用は面積や認証結果によって異なるが、安いもので100万円を下回る価格になりそうだ。

 事業性評価では、土地利用に応じた汚染対策や資金計画を立案し、土地の再生を支援する。認証が取得できない汚染地については、調査の実施案や認証取得のための対策を提示する。

 土地再生推進協会は2015年2月に発足した。環境コンサルティング、不動産鑑定、汚染対策、保険、法律などの専門家が集い、分野横断型で依頼に対処する。会員外でもサービスを受けられるが、会員には認証費用割引や相談無料といったメリットがある。入会金は20万円、年会費は50万円。

<設立時社員>
イー・アール・エス
エンバイオ・ホールディングス
システムプラザ
損害保険ジャパン日本興亜
大和不動産鑑定
FINEV(ファインブ)