国民年金、厚生年金保険の給付財源を運用する年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)は2月2日、ウェブサイト上でオルタナティブ運用担当者の公募を開始した。不動産、インフラ、プライベートエクイティ(企業投資)の3分野について、3年以上の運用経験を持つ担当者をそれぞれ若干名募集している。

 2014年10月に発表した新基本ポートフォリオにおいて、GPIFは運用資産(2014年9月時点で約131兆円)の5%未満をめどに、オルタナティブ投資を開始することを発表。1月5日には、英国のプライベートエクイティ・ファンド、Collar Capital(コラーキャピタル)でパートナーを務めた水野弘道氏がCIO(最高投資責任者)に就任し、債権や株式を含めた投資活動全体を統括する体制を整えた。

 同月、運用部の下に設置したオルタナティブ投資課には実務経験を持つ4人の専門人材をすでに配属済み。うち不動産分野では、民間企業でのアナリスト経験者1人が担当職に就いている。今回の募集は、このチームの陣容を強化するものだ。海外の投資先と交渉を行うための英語力を求めており、年収は800万円~1600万円程度を想定しているもよう。

 また、同法人は株式を含めたリスク資産への投資を強化するにあたり、ガバナンス体制の強化も進めている。今回の募集に合わせ、資産運用会社や金融機関のリスク管理部門経験者を対象に、運用リスク管理責任者1人のほか、その部下となる担当者若干名を求めている。