2015年にアジア太平洋地域で最も投資したい都市の1位は東京。大阪は3位――。米国の不動産業界団体であるアーバンランド・インスティテュート(ULI)は12月4日、会計・コンサルティング会社のプライスウォーターハウスクーパース(PwC)と共同で、恒例の投資家調査「Emerging Trends in Real Estate Asia Pacific 2015」を発表した。

 東京は昨年調査(2014年版)に続き、2年連続で1位に選ばれた。2009年に1位に選ばれたあと、2012年に16位、2013年には13位と人気が低迷していたが、アベノミクスが大規模な景気刺激策として評価され、前回1位に返り咲いていた。東京は今回、開発プロジェクトの立地としても1位に選ばれている。

 一方、大阪は今回投資先として3位に選ばれた。2013年には調査対象22都市の最下位に甘んじていたが、2014年には9位へと順位を回復していた。開発立地としての人気は今回4位だった。


投資見通し順位の変遷(資料:アーバンランド・インスティテュート)

 このほか、今回の投資先ランキングでは2位がジャカルタ、4位以下にシドニー、メルボルンと続く。1年前の前回調査では2位が上海、3位がジャカルタの順だった。5年間2位以上を維持していた上海は今回6位に順位を下げ、2011年、2012年は首位だったシンガポールは今回9位に甘んじた。

 ULIとPwCは、2015年のアジア太平洋地域の不動産市場について、経済のファンダメンタルズは弱含むものの、域内と世界の投資家から資金の流入が継続するため、総じて堅調さを保つと見込んでいる。

 報告書は機関投資家、デベロッパー、金融機関、仲介会社、コンサルタントなど、385人の不動産専門家の見解に基づいて作成した。