「DBJグリーンビルディング認証」を運用する日本政策投資銀行は、オフィスビルのテナント入れ替え時に、標準内装の未使用廃棄がないことを評価する加点項目を設けた。2014年度版の評価シートに取り入れ、7月から運用を開始した。

 標準内装とは、賃貸オフィスビルの貸し主が提供する標準的な内装のことだ。独自の内装に変えたいテナントは、新品の標準内装を撤去して施工し直すため「未使用廃棄」と呼ぶ廃棄物が生じる。この無駄をなくす取り組みは、優れた環境性能を誇るビルでも、ほとんどなされていない。

 政投銀は新たな評価項目の採用によって、ビル事業者の意識が変化することを期待した。標準内装という硬直的なビルの貸し方が見直されることで、テナントの借り方の自由度が広がり、生産性の改善につながる効果も見込んでいる。

 DBJグリーンビルディング認証は、環境や社会に配慮した不動産を評価・認証する取り組みとして2011年に運用を開始。150件以上の認証実績がある。これまでにも自動体外式除細動器(AED)の導入、エレベーターへの防災キャビネットの設置、環境方針の策定などを加点項目として設け、ビル事業者の対応を促してきた。

 建物の環境性能評価では、2012年に公表された三菱UFJ信託銀行の「社会配慮型オフィスビル評価指標」が、原状回復の柔軟性を問う項目を設けている。「テナント交替時にリサイクルを促進する取り組みがある」「前テナントの残したものを次のテナントが継続して使用できる」といった内容だ。