政府は5月19日、経済財政諮問会議と産業競争力会議の合同会議を開催し、空港や上下水道、道路などへのコンセッション(公共事業運営権)方式の導入を前倒しで実施する目標を掲げた。2017年3月までの3年間を「集中強化期間」として、19件で総額2兆円~3兆円規模の事業を実施する。従来の目標は2022年までの10年間で2兆円~3兆円だった。

 内訳は、空港6、下水道6、上水道6、道路1。関西国際空港と大阪国際(伊丹)空港、仙台空港、大阪市の下水道、愛知県の有料道路などが候補として取りざたされているが、数値目標や金額に確たる裏付けがあるわけではない。高い目標を示すことで、案件の発掘を急ぐ。目標の達成に協力する自治体には、事業実施の準備費を負担するなどのインセンティブを付与する。

 政府はコンセッション方式を、成長戦略の柱と位置づけている。インフラ関連企業や投資家のビジネスチャンスにつながるほか、日本で培った運営ノウハウをインフラ輸出時に生かせるという判断だ。巨額の更新投資を必要とするインフラの資金調達手段としても有望視している。