モスクワ館の展示のハイライトは旧市街地の精巧な400分の1模型だ。現在40m2だが、2017年には1000m2近い、世界最大の都市模型が完成するという
モスクワ館の展示のハイライトは旧市街地の精巧な400分の1模型だ。現在40m2だが、2017年には1000m2近い、世界最大の都市模型が完成するという
ロシア連邦地方開発省副大臣 スレトラーナ・イヴァノヴァ氏
ロシア連邦地方開発省副大臣 スレトラーナ・イヴァノヴァ氏

 ここ数年でMIPIMの風景を大きく変えているのが、ロシア勢だ。出展規模、参加者数ともに急増しており、今年も会場で一段と存在感を高めた。同国から1800人が参加した今回、随所でロシア語が聞かれるようになった。会場の屋外正面にはモスクワ市が大型テントパビリオン2棟を構えるほか、地方都市も会場内外でブースを出展。コンファレンスプログラムの数においても、国別ではロシア関連が最多となった。

 2013年におけるロシアの投資用不動産取引高は82億ドルを超えた。モスクワとサンクトペテルブルクが主な投資先で、Aクラスのオフィス、商業施設、物流施設は8.5%~11%の投資リターンを記録。今後はホテル、レジャー施設も投資先として期待されている。 一方、地方への投資も伸びている。「史上最も高くついたオリンピック」を開催したとやゆされる黒海沿岸のソチだが、今年のF1レース、2018年のFIFAワールド・カップの誘致に成功したことで、施設活用とレジャー都市としての地位確立をめざしている。

 地方都市の開発に向けて、ロシアは外資の誘致プラン“Invest in Russia”を打ち出した。昨年開設されたNational Investment Agencyは外資へ向けて情報収集、コーディネーションなど多様なサービスを提供する。今回、ロシアのMIPIM参加ミッションを率いたロシア連邦地方開発省副大臣、 Svetlana Ivanova (スレトラーナ・イヴァノヴァ)氏は、「ここに集まった30余りの出展から、大きく変貌している新しいロシアがわかるはず。ヨーロッパ全域より広大な、83地方から構成されるロシアは無限の可能性があり、投資インフラの受け入れ体制も改善した。Invest in Russiaを大いに活用してほしい」と語った。


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篠田 香子=フリーランス