京橋トラストタワー
京橋トラストタワー

 地下鉄京橋駅から徒歩1分、JR東京駅から徒歩4分の京橋トラストタワーが2月28日に竣工した。クボタが6フロア計3036坪を賃借することが決まっており、竣工時点のオフィステナント内定率は約9割。事業主の森トラスト(本社:港区)は引き合いの強さから、近いうちに満室になるとみている。

 京橋トラストタワーは、オフィスとホテル、店舗などで構成される複合ビルだ。地上21階地下3階建て、延べ床面積約5万2470m2。5階~21階がオフィスフロアになる。オフィス賃貸床面積は約2万8300m2(8560坪)で、基準階床面積は1624m2(491坪)。募集賃料は共益費込み1坪あたりの月額で3万6000円~4万円。フリーレント期間は2カ月間前後とみられる。

 数々の環境性能や防災性能を備えているが、なかでもオフィステナントの事業継続にこだわった。停電時に、通常時の約8割の電力利用で1週間、電力を供給できる非常用発電装置を備えた。非常用発電機は2台で2400kWの出力、燃料タンクは14万リットルの容量だ。

 さらに、屋上部にはテナント専用の非常用発電装置を置けるスペースを確保。災害用備蓄倉庫は480m2の広さがある。防災井戸にも非常用電力を供給し、停電・断水時でもオフィスのトイレが使用できる。建物は制震構造で、一般の高層建築物に求められる約1.5倍の耐震性能を実現した。

 2階~4階では、世界的ホテルブランドのコートヤード・バイ・マリオット 東京ステーションが4月2日に開業する。総事業費や建設費用は明らかにしていない。土地・建物の価値について森トラストは、「もし売却するとしたら時価にして約1000億円」と答えている。


[開発の概要]
名称:京橋トラストタワー
所在地:中央区京橋2-1-3(住居表示)
最寄り駅:地下鉄京橋駅徒歩1分
面積:土地4403.86m2、延べ床5万2470.87m2、オフィス賃貸床約2万8300m2
構造、階数(地上/地下):S・SRC造(制震)、21/3
用途:事務所、ホテル、店舗、駐車場
ホテル客室数:約150
駐車台数:124(荷さばき・管理用車両分を含む)
駐輪台数:39(バイク置場を含む)
事業主:森トラスト
設計者:安井建築設計事務所、戸田建設、建築設備設計研究所
施工者:戸田建設
工期:2011年11月~2014年2月

PAL低減率(オフィス):27.83%
ERR(オフィス):42.52%
年間1次エネルギー消費量の予測値(建物の全用途):1180MJ/m2