日経不動産マーケット情報が2013年に伝えた、大型不動産取引を金額順に紹介する。個別物件の取引としては3年ぶりの1000億円クラスとなった芝パークビル(軍艦ビル)、ソニーシティ大崎、タイムズスクエアビルを筆頭に、取引が相次いだ。REIT上場件数は前年を上回る6銘柄で、大型増資に伴う物件取得も目立った。

APL、セキュアードなどが軍艦ビル取得へ
1位 【約1170億円】

[限] APL、セキュアードなどが軍艦ビル取得へ

香港のアジア・パシフィック・ランド(APL)グループや、セキュアード・キャピタル・インベストメント・マネジメントが参加する企業連合が、港区芝公園の芝パークビルの取得に向けて、最終段階に達した。価格は約1170億円とみられる。[全文]


ソニー、大崎の自社ビルを1111億円で売却
2位 【1111億円】

[限] ソニー、大崎の自社ビルを1111億円で売却

ソニーは2013年2月28日、品川区大崎2丁目の自社ビル、ソニーシティ大崎を日本ビルファンド投資法人と国内機関投資家1社に売却したと発表した。価格は1111億円。NBFが60%、国内機関投資家が40%を取得する。[全文]


高島屋、タイムズスクエアの持分を1000億円前後で追加取得へ
3位 【1050億円】

[限] 高島屋、タイムズスクエアを1050億円で追加取得

高島屋は12月26日、JR新宿駅南口のタイムズスクエアビルの持分を東急不動産の特別目的会社から追加取得することを決めた。取得するのは建物の持分約6割で、価格は1050億円。2014年3月に引き渡しを受ける。今回の取引により、建物は高島屋の単独保有、土地は4割が高島屋、6割が東急不動産のSPCの保有となる。[全文]


4位 【約740億円】

[限] ラサールの物流施設6物件、740億円で売却

10月21日、米ラサール インベストメント マネージメントが運用する日本国内の物流施設6物件が売却された。いずれもLaSalle Japan Logistics Fund II(JLF II)の資産の一部で、総額は約740億円。買い主は国内の大手金融機関やトーセイが参加するコンソーシアムだ。[全文]


5位 【575億円】

[限] 玉川ルネッサンスシティを575億円で買い戻し、NEC

NECは9月30日、川崎市中原区にある同社の事業場の一部、玉川ルネッサンスシティの信託受益権を約575億円で買い戻した。売り主はアトラスインベストメント合同会社だ。[全文]


パナソニック、東京汐留ビルを507億円で売却
6位 【507億5000万円】

[限] パナソニック、東京汐留ビルを507億円で売却

パナソニックは2013年3月5日、東京の拠点である港区東新橋1丁目のパナソニック東京汐留ビルを、三井住友ファイナンス&リースと日本ビルファンド投資法人に売却することを決めた。[全文]


神谷町の大型オフィスを500億円で取得、ヒューリック
7位 【500億円】

[限] 神谷町の大型オフィスを500億円で取得、ヒューリック

ヒューリックは5月28日、港区虎ノ門4丁目の大型オフィスビル、神谷町セントラルプレイスを取得することを決めた。取得価格は500億円。31日に引き渡しを受ける。[全文]


有明の土地を421億円で落札、大和ハウス
8位 【421億7000万円】

有明の土地を421億円で落札、大和ハウス

大和ハウス工業は8月30日、独立行政法人都市再生機構(UR)が実施した一般競争入札で、江東区有明1丁目の土地3万6309m2を落札した。価格は421億7000万円。入札には6者が参加した。[全文]


フォートレス、420億円で舞浜シェラトンを取得
9位 【約420億円】

[限] フォートレス、420億円で舞浜シェラトンを取得

米フォートレス・インベストメント・グループは7月末、東京ディズニーリゾート近くのシェラトン・グランデ・トーキョーベイ・ホテルを取得した。価格は約420億円だ。同ホテルは客室数802。2007年にはモルガン・スタンレーとスターウッドのファンドが取得、総額575億円のCMBSが発行されたが、デフォルトに伴い今回売却された。[全文]


グラントウキョウサウスタワーを350億円で売却、鹿島が三井不へ
10位 【350億円】

[限] グラントウキョウサウスタワーを350億円で売却、鹿島が三井不へ

鹿島の連結子会社である鹿島八重洲開発は2013年2月19日、JR東京駅前の大規模オフィスビル、グラントウキョウサウスタワーの持分の一部を三井不動産に売却することを決めた。価格は350億円。引き渡しは2月22日を予定している。[全文]




再びREIT上場ブーム、公募増資も盛んに

REITによる物件の一括取得を下の表にまとめた。上場(IPO)件数は前年の4銘柄を上回る6銘柄。さらに日本プロロジスリート投資法人やケネディクス・レジデンシャル投資法人が大型の公募増資を実施して物件を大量取得した。下表に挙げた以外にも、星野リゾートリート投資法人や、日本の不動産を運用資産とするシンガポールのクリサス・リテール・トラストが上場を果たした。

REITによる一括取得
順位取得額銘柄名(クリックで該当記事へ)主な取得資産取得物件数時期
1 2276億1600万円野村不動産マスターファンド投資法人(IPO) Landport浦安542013.6(引渡)
2 1730億2000万円日本プロロジスリート投資法人(IPO) プロロジスパーク市川1122013.2(引渡)
3 1583億3000万円イオンリート投資法人(IPO) イオンレイクタウンmori172013.11(引渡)
4 1324億3000万円日本プロロジスリート投資法人 プロロジスパーク東京大田92013.5(契約)
5 837億円ヒューリックリート投資法人(2014年上期IPO予定) ヒューリック神谷町ビル142013.10(決定)
6 747億2600万円SIA不動産投資法人(IPO) Jタワー202013.10(引渡)
7 736億7000万円日本リテールファンド投資法人 川崎ルフロン82013.10(引渡)
8 712億2545万円コンフォリア・レジデンシャル投資法人(IPO) コンフォリア東池袋WEST532013.2(引渡)
9 685億5600万円ケネディクス・レジデンシャル投資法人 KDXレジデンス東新宿602013.7(契約)
10 648億5000万円日本ビルファンド投資法人 セレスティン芝三井ビルディング42013.2(引渡)

【注】上記はいずれも2013年12月27日時点。価格が判明している事例のみを紹介した。表中、個別物件での最高額はプロロジスパーク市川1の339億円。イオンリート投資法人は上記のほかマレーシアの1物件を2014年度に取得予定。