鑑定機関のGREC(グレック、本社:大阪市)は11月14日、シンガポール拠点での業務を開始した。同社によると、現地で日本人鑑定士が常駐する事務所を開設したのは、国内鑑定業界では初めてという。

 GRECは2006年、それぞれに事務所を構える鑑定士が集まり、海外不動産の評価を専門に手がける組織として設立した。不動産鑑定士10人が所属し、大阪、東京のほかバンコクに営業拠点を構える。またミャンマー、ベトナム、中国、台湾にも、現地に進出した日系企業向けの連絡拠点がある。

 今回のシンガポール事務所開設は、マレーシア、インドネシア、カンボジア、ベトナムなど東南アジア地域で日系企業による資産評価の需要が高まっていることに対応したもの。工場などの資産評価に加え、企業買収に伴う不動産評価の需要も増えているという。UFJ信託銀行(現・三菱UFJ信託銀行)などを経験した鑑定士の太田洋一氏が現地法人の代表を務める。