第一生命保険の環境・インフラ分野への投融資額が200億円を超えた。2012年度に先進国の大型インフラへの投資ファンドに40億円を拠出したのを手始めに、2013年度には国内のバイオマス(生物資源)発電事業、メガソーラー(大規模太陽光発電所)事業などへと対象を広げ、実績は2013年10月までに14件で232億円になった。今後の国内インフラ事業への投融資にも、強い関心を示している。

 同社は2013年度~2015年度の中期経営計画のなかで、主な投融資分野として(1)環境・インフラ関連、(2)新興国、(3)国内成長株――を掲げている。環境・インフラ関連については、2013年度に約150億円、2014年度~2015年度に約400億円~500億円を投融資する目標だ。

 公共施設の整備に民間の資金や経営ノウハウを活用する目的で10月に設立された株式会社民間資金等活用事業推進機構(PFI推進機構)には5億円を出資するとともに、社員1人を派遣する。機構への参画を通じて、国内インフラ投資市場の拡大に貢献するほか、人材の育成を通じてインフラ投資の目利き力も培っていく考えだ。

 第一生命保険は約30兆円の資産を運用する機関投資家として、安全性や収益性だけでなく、環境(Environment)、社会(Society)、企業統治(Governance)からなるESGの行動原則が重要だと位置づけている。インフラ投資への関心を強める背景には、長期に安定したリターンが期待できるインフラの特性が、生命保険会社の資産運用にマッチしているとの思いがある。