日本土地建物は9月11日、千葉県船橋市本郷町で、同社のシェアハウスとしては2棟目となる「西船橋シェアハウス計画（仮称）」を着工した。研修所として使用していた建物を、本格的な音楽スタジオ付きの大型シェアハウスに改修するプロジェクトだ。2014年2月中旬の完成を予定している。

　改修する建物は、JR西船橋駅から徒歩12分の場所にある。地上5階地下1階建て、延べ床面積3727m2の規模で、1986年に完成した。企業の研修所を日本土地建物が買い取り、宿泊施設付きの研修施設として2012年春まで同社が運営していた。

　この計画の最大の特徴は、地下1階に完全防音仕様の音楽スタジオを3室、設置することだ。各スタジオにはミキサー、スピーカー、ドラム、ピアノなどを備え付ける。入居者は無料で利用でき、入居者同士のコミュニケーションを促進する。スタジオの施工はヤマハミュージックリテイリングが手がける。


地下1階の音楽スタジオの完成イメージ。既存建物の5階にあった大浴場をラウンジに変更し、不要になった地下のボイラー室スペースを利用した（資料：日本土地建物）


　共用部は、ホテルのような高品質な内装とする。1階には吹き抜けのあるエントランスホールと、約74畳（約120m2）のリビング・ダイニング、約49畳（約79m2）のキッチン、約53畳（約86m2）の多目的ルームを設ける。多目的ルームには、入居者によるパーティーや演奏会が可能な簡易ステージを設け、ステージ横には作曲もできるミキシングルームを併設する。2階と5階には、それぞれ趣の異なるラウンジを設ける。


吹き抜けのあるエントランス。シェアハウスとしては最高水準の空間とする。インテリアデザインの基本設計と監修はフィールドフォー・デザインオフィスが担当（資料：日本土地建物）


　個室はシェアハウスとしては大きな9.6畳（15.6m2）を基準に、最大15.8畳（25.6m2）まで85室を備える。ベッド、冷蔵庫、デスク、椅子、クローゼット、空調、照明は備え付けで利用できる。3階は女性専用フロアとする。

　入居者募集は2014年1月から開始する。着工時点で賃料は決まっていない。日本土地建物によると、事業化にあたって研修所として改修する案や、賃貸マンションへのコンバージョン、物件売却なども検討したが、シェアハウスが最も収益性が高いと判断した。改修工事費は約4億円だ。


エントランスホールから連続した1階のリビング・ダイニング。併設するキッチンにはバーカウンターも設ける（資料：日本土地建物）

2階のラウンジ。入居者が音楽CDや自主制作CDを飾れるキャラクターボードを設け、音楽を通じたコミュニケーションスペースとする（資料：日本土地建物）


［開発の概要］
開発名：西船橋シェアハウス計画（仮称）
所在地：千葉県船橋市本郷町551-2
最寄り駅：JR西船橋駅徒歩12分
面積：土地1997.08m2、延べ床3727.27m2
構造：RC・S造
階数（地上／地下）：5／1
事業主：日本土地建物
設計：日本土地建物
インテリア基本設計・監修：フィールドフォー・デザインオフィス
施工：増岡組
用途：シェアハウス
工期：2013年9月～2014年2月（予定）
改修工事費：約4億円