パレ・デ・フェスティバルの全景(2012年、写真:MIPIM)
パレ・デ・フェスティバルの全景(2012年、写真:MIPIM)

 南仏カンヌで、間もなく世界最大の不動産見本市MIPIM(ミピム)が開幕する。毎年恒例のイベントは今年で24回目。日経不動産マーケット情報の現地レポートは今回で5回目を数える。会期は3月12日から15日までの4日間。会場はカンヌ映画祭のレッドカーペットでおなじみ、パレ・デ・フェスティバルだ。

 世界中の市場を席巻した株高現象により、長い冬を経験した不動産市場にも春の兆しが感じられる。一方、この南仏地方と国境を接するイタリアでは、構造改革を率いたマリオ・モンティ首相の内閣が選挙でノーを突き付けられると、国債利回りが急上昇する展開となった。長引くユーロ危機に対して、会場に集う機関投資家や大手ファンドの首脳が、どのような判断をみせるか注目したい。

 主催者発表によると、今年も約80カ国から例年並みの2万人の参加者が事前登録している。このうち4300人はファンドマネジャーを中心とする投資家層で、ほかにはデベロッパー、金融機関、自治体、建設会社、設計事務所、ホテルオペレーターなどの参加者が占める。毎年60を超えるパネルセッションのなかにはスマートシティ、グリーンビル関連の話題も予定されている。日本からは建築家の隈研吾氏などが登壇する。

 本誌からは本間副編集長のほか、日本人としては最多のMIPIM参加経験を持つであろうフリーライターの篠田香子氏が現地入りした。今後2週間程度にわたり、ウェブ連載と本誌レポートで現地の様子を伝えていく。最新の状況についてはMIPIMの事務局が運営するライブブログでも確認できる。

本間 純=仏カンヌ