阪急阪神ホールディングスは、大阪駅前にある大阪神ビル(阪神百貨店梅田本店)と新阪急ビルを高さ190mの複合ビルに建て替える。2013年3月1日に大阪市が都市再生特区案を発表し、高層部の容積率が最大2000%へ緩和される見込みとなったことから開発が具体化した。

 JR大阪駅と向かい合う大阪神ビルの正面部分を最大190mに超高層化し、ビル東側部分と新阪急ビルを高さ85mとする計画になっている。2棟の間を通る道路はそのままに、ビルを上空で連結して一体化する。特区案には、JR大阪駅と結ぶ梅田新歩道橋の耐震化や多目的広場の設置なども盛り込まれている。

 大阪神ビルは地上11階地下6階建て、賃貸可能床面積9万8578m2の規模で、1963年に竣工した。13フロアが阪神百貨店の売り場になっている。新阪急ビルは地上12階地下5階建て、賃貸可能床面積3万2962m2の規模で、1962年に竣工した。低層階は店舗フロアで、1階から3階に大型書店のブックファースト梅田店が入っている。中上層階はオフィスとなっており、阪急阪神ホールディングスのグループ会社などが入居する。同社は計画の詳細を明らかにしていないが、まず、新阪急ビルを建て替えて、阪神百貨店の売り場を新ビルに移転。その後、大阪神ビルの建て替えに着手する可能性が高い。

 2棟のビルはそれぞれ、阪神電鉄と阪急電鉄が所有していた。2006年に両社が統合したことから、今回の一体開発の計画が浮上した。梅田エリアは日本有数の百貨店激戦区として各社がしのぎを削っており、2011年、JR大阪駅に完成した駅ビル内にJR大阪三越伊勢丹がオープン、同年には大丸も売り場面積を1.6倍に増床した。2012年には阪急百貨店の全面建て替えが完了し、高さ187mの大型複合ビルが誕生している。