機関投資家など世界の35以上の団体で構成するGRESB財団はこのほど、2012年の不動産事業者の環境対応調査の結果を発表した。アジアにおける商業施設部門の先進事業者としてイオンモールを選出。産業用不動産部門では、日本の物流施設を投資対象としたラサール ジャパン ロジスティクス ファンドIIを運用するラサール インベストメント マネージメントが先進事業者となった。

 GRESB財団は、欧州の年金基金のグループを中心に設立された組織だ。不動産会社や不動産ファンドの株主価値を高めることを目的に、アンケート調査に基づいて不動産事業者を評価する。サステナビリティーに関する運用方針と実際の取り組みの大きく二つの視点を設けており、なかでもエネルギー消費量の計測を重視している。

 調査結果によると、エネルギー消費量を報告したのは調査協力者全体の60%で、昨年の34%から大幅に増加した。報告書には、日本からのほとんどの参加者が、エネルギー消費量を報告したと特筆されている。世界をオセアニア、欧州、アジア、アメリカの4地域に分けた分析では、オセアニアの成績が群を抜いて高い。オーストラリアの不動産事業者はグリーンリースなど、テナントとの協働が特に進んでいるという評価だ。

 調査には世界の約450の不動産会社やファンド運用会社が協力した。参加者は昨年の調査と比べて3割多い。参加事業者の物件数は3万6000件、運用資産総額は105兆円に上る。日本市場からの回答者は24者(上場企業10、私募ファンド14)で、上場企業のうち8者はREITの投資法人だった。ただ、他の地域と比べて、アジアの事業者の調査協力意識は低い。

 日本での調査の事務局はCSRデザイン環境投資顧問が務めた。調査結果はGRESB財団のウェブサイトで見られる。

■日本市場からの回答者
イオンモール
CBREグローバルインベスターズ
大和証券オフィス投資法人
ダイヤモンド・リアルティ・マネジメント
グロブナー
産業ファンド投資法人
ジャパンエクセレント投資法人
日本プライムリアルティ投資法人
日本リテールファンド投資法人
ケネディクス・アドバイザーズ
ケネディクス
ケネディクス不動産投資法人
ラサール インベストメント マネージメント
MGPA
森ヒルズリート投資法人
オリックス不動産
プロロジス
シンプレクス不動産投資顧問
東京海上不動産投資顧問
タッチストーン・ホールディングス
ユナイテッド・アーバン投資法人
(注1)英文表記のアルファベット順
(注2)名称を公表している不動産事業者。日本の市場に投資している外資を含む